ビアスタイル講座
エールビールはどのようなビール?魅力やより一層美味しく飲む方法を解説!
2023.09.23
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エールビールという言葉を耳にしたことがあっても、具体的にどのようなビールを指すかわからない方も多いと思います。私たち日本人が飲んでいるビールのうち9割はラガービールだからです。
エールビールは、喉ごしや爽快感が特徴のラガービールと対照的に、豊かな香りや味わいをゆったりと楽しむビールといえます。
この記事では、エールビールの特徴・魅力・美味しい飲み方を紹介していきます。日本人にはあまり馴染みのないエールビールを理解することで、より一層ビアライフを楽しんでいきましょう。
エールビールとは?
エールビールは、上面発酵で醸造されるビールの一種であり、濃厚な香りとコクが特徴です。
上面発酵とは、15℃~20℃のやや高温で発酵し炭酸ガスを多く排出させることによって、酵母が表面に浮かび、上面に層が形成される発酵方法を指します。
発酵期間は3日~4日と短期間です。
フルーティーな香りや甘みで味わい豊かなエールビールは、ワインのようにじっくりと楽しむ飲み方が向いています。
日本ではラガービールが多くエールビールの流通が少ない
日本人が飲んでいるビールの9割以上は、ラガービールといわれています。日本人にとって、流通量の少ないエールビールを飲む機会はそう多くありません。
一般的にラガービールは、癖のないクリアな味わいと、ゴクゴクと飲めるスッキリとした喉ごしが特徴です。一方でエールビールは、豊かな香りと個性的な味わいを特徴としています。
初めてエールービールを飲む方の中には、ラガービールと同じビールと思えない方もいるかもしれません。普段飲み慣れているラガービールとは大きく異なる味、香りを楽しみましょう。
エールビールの歴史は長い
日本では馴染みのない方も多いエールビールですが、その歴史は非常に古いです。
紀元前、ケルト民族が飲んでいた蜂蜜酒に代わるものとして、エールと呼ばれる穀物酒が誕生します。5世紀ごろ、アングロサクソン人によって、エールはイギリス全土へと広まっていきました。
中世になると、キリスト教会が多く建築され、巡行者をもてなすためにエールビールが振舞われるようになります。9世紀ごろには、「エールハウス」と呼ばれる居酒屋が広がりました。一方で、家庭におけるエールビールづくりは女性の仕事であり、ビールづくりに習熟した主婦による自家醸造が、一家の収入源のひとつだったともいわれています。
12世紀ごろ、専業のビール醸造業者が現れたことにより、ますます広く楽しまれるようになっていきました。
当時のイギリスでは、ホップではなく、「グルート」と呼ばれる、ビールに配合するためのハーブ類が主流でした。15世紀にホップの私用が許可されてからもそれは変わらず、ホップが添加されたものを「ビール」、グルートが使用されたものを「エール」と呼び、区別していたようです。
17世紀ごろよりエールにもホップを使用する醸造者が増えていき、エールビールはさらに広く普及していきます。
18世紀ごろにはペールエールが誕生し、19世紀にはビールの主流となりました。
近年は、酸化に強く大量生産性に優れたラガービルが台頭していますが、実はエールビールこそビールの元祖ともいえるのです。
豊かで個性的な味わいを持つエールビールは、多くのビール愛好家を楽しませています。
エールビールの特徴を知ろう!
エールビールは、芳醇な香りと味わいが特徴です。
「ワインのようなビール」と表現されるとおり、ゆっくりと時間をかけて楽しむビールといえます。
クリアな喉ごしと爽快感が特徴のラガービールとは対照的なビールであり、異なる魅力を持ちます。
エールビールの特徴としてとくに際立つのは、芳醇な香りとコクです。エールビールはラガービールよりも高めの温度で発酵させるため、エステルという物質が生成されます。エステルによって、エールビール特有のフルーティーな香りが生まれるのです。
個性的な香りや豊かな味わいのエールビールは、最近のクラフトビールでも多く見られます。
エールビールと普通のビールの違いは何?
ここでは、ラガービールとエールビールの違いを紹介します。
両者の大きな違いは、発酵温度と発酵期間です。
ラガービールは、0〜15℃の低温で約10日かけて発酵させます。発酵が進行するにつれて、酵母が底近くに沈殿します。これが「下面発酵」です。
長時間の発酵期間を経て製造されるラガービールは、すっきりとした癖のない味わいになるため、どんな料理とも合います。
また、低温下で製造されるラガービールには、酸化に強いという特徴があります。大量生産も可能であるため、世界で最もメジャーなビールとなりました。
一方、エールビールの発酵期間は、常温で3日程度です。発酵が進行するにつれて、酵母が上面に浮かびあがります。これが「上面発酵」です。
華やかな香りと濃厚な味わいは、エールビールの最大の特徴といえます。ワインのようにゆっくりと楽しめるビールです。
クラフトビールの多くは、香りや味に個性を出しやすいエールビールといわれています。クラフトビールブームの影響もあり、日本でエールビールを飲める機会が増えています。
エールビールにはたくさん種類がある!
ここでは、エールビールの中でもとくに有名な7つの種類を紹介していきます。
IPA
1つ目はIPAです。正式名称はインディアンペールビールといいます。
インドがイギリスの植民地だった時代、イギリスからインドへビールを運ぶために、防腐剤代わりにホップを大量に加えたことがIPAのはじまりといわれています。
最大の特徴は、ホップの香りと苦みが効いた濃厚な味わいです。アルコール度数も高く、パンチの効いたビールを飲みたい方におすすめです。
ペールエール
ペールエールは、ペールモルトと呼ばれる質の高いモルトが使用されたビールです。華やかな香りとコクが特徴的なビールですが、アルコール度数も抑えられているため、広く親しまれています。
ペールエールはイギリスで生まれましたが、現在は国によってそれぞれ特徴のあるペールエールが製造されるようになりました。本場のペールエールと他国で誕生したペールエールを区別するため、発祥当時のペールエールのスタイルは、「イングリッシュペールエール」とも呼ばれています。
スタウト
黒色のモルトを用いて製造されるスタウトは、黒ビールの一種です。独特の苦味や香りを特徴としています。
18世紀、イギリスではポーターと呼ばれる黒ビールが人気を集めていました。世界中のビール会社がポーターの製造を開始しますが、アイルランドのギネス社がアルコール度数を強化した「スタウト」の開発に成功します。麦の焦げた強い風味が人気となり、スタウトはポピュラーなビールへの仲間入りを果たしました。
苦みとコクがしっかりと感じられるビールを好む方におすすめのビールです。
ヴァイツェン
ヴァイツェンは、小麦麦芽を50%以上使用した、伝統的なドイツビールです。フルーティな香りと、苦味の少ない味わいが特徴といえます。
一般的にヴァイツェンというと、酵母をろ過していないヘーフェヴァイツェンを指します。酵母をろ過したクリスタルヴァイツェンや、アルコール度数の高いヴァイツェン・ボックなども、ヴァイツェンの一種です。
バナナのような香りで、苦みも抑えれらているため、ビールが苦手な方にもおすすめできます。
ベルジャンホワイト
ベルジャンホワイトは、ベルギーの伝統的な白ビールです。原料に、小麦やオレンジピール、コリアンダーなどが使われています。
苦味が抑えられているビールであり、白ビールの中でもとくに爽やかさとフルーティーさが際立つ仕上がりです。
クラフトビールブームの影響により、日本でも多くのベルシャワンホワイトが販売されるようになりました。
バーレーワイン
麦のワインと訳されるバーレーワインは、19世紀イギリスで誕生しました。
ビールの原料を使用しながらも、フランス生まれのワインに対抗できるお酒として開発されたものです。
バーレーワインの熟成期間は通常のビールよりも6倍ほど長く、ウイスキー樽の素材によってさまざまな風味が生まれます。
ワインに似た濃厚な風味と味わいを楽しむことができるため、チーズやチョコレートなどとも相性がよいビールです。
ポーター
ポーターは、18世紀イギリスで生まれた黒ビールの一種です。運び屋たちが好んで飲んでいたため、ポーターと呼ばれるようになりました。
ロースト麦芽を使用して製造されるため、チョコレートやコーヒーのような香ばしさが特徴です。
ポーターは当時、イギリス庶民の間で爆発的な人気となり、イギリスにビール文化を根付かせる重要な役割を果たしました。
コクとまろやかさを感じられるビールです。
おすすめのエールビール紹介!
次に、日本初のユニークなエールビールをご紹介します。
サッポロビール株式会社のブランド「HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)」では、人々が抱えるさまざまなストーリーをもとにした、個性あふれるビールを生み出しています。
ここではホッピンガレージのエールビールを3つ紹介していきます。
HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)「佐世保スイングエール」
HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)「佐世保スイングエール」は、とうもろこしを原料に使用し、焙煎麦芽によって豊かな香りを実現したビールです。
「ただいま」と「おかえり」の声が行き交う佐世保のジャズバーにヒントを得て生まれたビールは、きれいな琥珀色で視覚からも楽しめます。
スイングのリズムに身を任せながら、気の置けない仲間との大切な時間に飲みたい一杯です。
参考サイト:佐世保スイングエール|HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)
HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)「ボードゲームビール」
HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)「ボードゲームビール」は、小麦麦芽とコリアンダーシードを使用したホワイトタイプのビールに、柑橘系の香りをふんだんに加えた一杯です。
ボードゲームカフェやホームパーティのにぎやかな時間のお供にピッタリな、飲みやすいビールに仕上がっています。
煌びやかな香りとフルーティな味わいで、初めてビールを飲む若い世代にもおすすめしたいビールです。
参考サイト:ボードゲームビール|HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)
HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)「おつかれ山ビール」
HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)「おつかれ山ビール」は、大分県産のかぼすを使用した爽やかなホワイトビールです。
隠し味にアルペンザルツを加えることにより、わずかに塩味を効かせています。
アルコール度数を3%に抑えているため、幅広い世代におすすめできるビールです。
実際に山へ上った人だけではなく、仕事や勉強など大小さまざまな「山」を登った人に、自分をいたわりながら飲んでほしい一杯といえます。
参考サイト:おつかれ山ビール|HOPPIN’ GARAGE(ホッピンガレージ)
エールビールをより一層美味しく飲むポイント
エールビールをより美味しく飲むポイントは、大きく分けて3つあります。
1つ目のポイントは、グラスにこだわることです。
たとえば、チューリップ型のグラスへ注ぐことによって、エールビールの持つ豊かな香りを楽しめます。チューリップ型グラスはその名のとおり、大きく広がった胴部分にすぼまった口元が特徴です。個性的な形がグラスの中に香りを閉じ込めてくれます。
まずは香りを楽しんでから、ゆっくりと味わっていきましょう。
2つ目のポイントは、注ぎ方にこだわることです。
エールビールは、芳醇な香りとコクを存分に味わいたいビールといえます。そんなエールビールにおすすめの注ぎ方は「三度注ぎ」です。
三度注ぎとは、ビールをしっかりと泡立てながら、3回に分けて注ぐ方法を指します。
三度注ぎすることで、きめ細やかな泡がグラスにフタをし、香りが逃げにくくなります。
炭酸と苦みが抑えられる注ぎ方でもあるため、ビール初心者にもおすすめです。
3つ目のポイントは、温度にこだわることです。
エールビールは、濃厚な香りが引き立つ8℃~13℃が適温とされています。ビールといえばキンキンに冷えたものをイメージする方も多いと思いますが、エールビールの場合は冷やしすぎると魅力が半減してしまいます。
冷蔵庫から出したら少し時間を置いて飲んでみて下さい。エールビールのフルーティーさを存分に堪能できますよ。
また、エールビールは温度変化によって香りや味わいが変化します。エールビールがよく冷えている時と、ぬるくなった時では違う表情を見せるでしょう。エールビールの表情の変化を楽しみながら、自分が好きなエールビールの温度を探っていくのもよいかもしれませんね。
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HOPPIN’ GARAGEのクラフトビールは種類が豊富で、工夫次第でさまざまな飲み方を楽しめることが魅力の一つです。
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※写真はイメージです。(限定醸造ビールの種類やアイテム数、各ビールの本数内訳は時期によって異なります。)
参考サイト:HOPPIN' GARAGE 5種5本トライアルセット
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※写真はイメージです。(限定醸造ビールの種類やアイテム数、各ビールの本数内訳は時期によって異なります。)