ビアストーリー講座 集まれ！チョコミント党！2種類のミントを使った清涼感あふれるチョコミントビール「Mint Black Waltz（ミントブラックワルツ）」のこだわりを醸造レポートでご紹介

「こんなビール、できたらいいな。」

皆さんのアイデアからビールをつくるガレージ。HOPPIN' GARAGEです。

「大人のチョコミント」を飲んだお客さまから、「もっとミントのスースー感を強くして欲しい！」とのご要望を頂くことがしばしば。 そこで、「暑い季節に飲みたい清涼感あふれるチョコミントビール」をコンセプトに「暁ブルワリー」と一緒に新しいチョコミントビールをつくりました！

その名も

Mint Black Waltz（ミントブラックワルツ）

ミントのスース―感を出すために、「鹿児島産有機ペパーミント」と「長崎産ブラックミント」2種類のミントを採用！ ミントの清涼感とポーターのロースト感がワルツのリズムのように繰り返されるビールです！

暁ブルワリー 八幡平ファクトリー　醸造長の中林さん

こちらの記事では、「Mint Black Waltz」がどのようにして醸造されたのか？気になる工程を中林さんにお伺いしていきたいながらその「こだわり」についてもレポートします。

「清涼感」を感じるための麦芽使い

——Mint Black Waltz（ミントブラックワルツ)で使用した麦芽についての「こだわり」を教えてください。

「ミントの清涼感をしっかりと感じられるように麦芽の種類と使用量にこだわりました。」

——今回のビールの味わいのキーは「ミントの清涼感」どのように設計されたのですか？

「モルトにはロースト感の強い『カラファモルト』を使用、焦げた風味を抑えるため、チョコレート感が特長のチョコミンビール『黒猫』よりもこのモルトの割合を少し減らしました。更に、アルコール度数の設計を4.5%にすることで、ミントの清涼感が際立つようにレシピを考えました！」

オーガニックカラファモルト

——モルトの種類と使用量を軸に、アルコール度数も低くすることででミントの清涼感を表現されたのですね！

チョコミン党必見！カカオニブを使用した本格チョコレート味！ビターでクールなチョコミントビール「黒猫」」の醸造レポートはこちら

チョコミントの「甘味とコク」を再現するための糖化条件

——糖化条件の「こだわり」を教えて下さい！

「今回は、甘味とコクが残るように、やや高めの温度帯で糖化をしました。粉砕したモルトをお湯と混ぜ合わせて、マッシュタンで1時間ほど糖化反応を進めました。」

——糖化温度を高めにすることで、甘味とコクが残るようなるんですね！面白い！

「糖化が終わった時点では、狙い通り甘さとコクを兼ね備えた麦汁ができました！コーヒーのような香ばしい香りが醸造所内に広がりました。」

マッシュタン内部の様子

ケルトホッピングの「ホップ」選定

——どんなホップを使用したのか？「こだわり」を教えてください！

「今回は、スッキリとした清涼感がありながらも、甘味とコク深さあるポーターをビアスタイルにしたので、」 ホップは穏やかな香りと苦味の『イーストケントゴールディングス』を使用しました。」

ケルトタンクで煮沸される麦汁

——イーストケントゴールディングスってどんなホップなんですか？

「イーストケントゴールディングスは、最高級のエールやビールの醸造に使用されるホップとして知られています！」

——どんな香りがするんですか？

「香りは柑橘類や、レモン、フローラルの香りが合わさったような匂いがします！」

——華やかな香りだけどスッキリした印象のあるホップ！今回のビールにピッタリですね！

参考サイト：イースト・ケント・ゴールディングス｜農林水産省

ワールプールホッピングでの「香りの設計」

——ワールプールホッピングで使用したホップの「こだわり」を教えてください！

「ミント様な香りを持つと言われる『ポラリスホップ』を、ワールプールで香り付けに使用しました。このホップは苦味の元となる『アルファ酸』含有量が多いため、煮沸ではなくこのタイミングで投入し、香りを残しつつビールに苦味が付きすぎないようにしました。」

——HOPPIN’ GARAGEで過去に発売した「刀剣キラリ」で使用したポラリスホップを使用したんですね！なんか親近感を感じます！

「ミントの清涼感を最大化するために、ホップ選びもこだわりました！」

ポラリスホップ

参考サイト：刀剣キラリ｜サッポロビール　商品詳細

酵母の選定理由について

——今回はどんな酵母を使用したのか？「こだわり」を教えてください！

「使用した酵母はFermentis社Safale S-04。この酵母は麦汁中の『マルトトリオース』を食べられないので、ビールに適度な甘味を残すことができます。

——なるほど！糖を一定量残すことで、コクと甘味が残るようにしたんですね！

乾燥酵母

ドライホッピングでの「香りの設計」

——ミントの清涼感をしっかりと感じるようにするためにどんあ「こだわり」があったのか？教えてください！

「過去にミントを使ったビールを何度か醸造したのですが、実はミントの香りは発酵中に弱まりやすいんです。」

——そうなんですか？では、今回のスースー感はどうやって？

「ミントの香りをしっかりと感じられるようには発酵後半にミントを漬け込みました。」

「さらに、2種類のミントを使用し、『鹿児島県産の有機ペパーミント』と、清涼感の強さが特徴の『長崎県産のブラックミント』を漬け込みました。」

鹿児島県産有機ペパーミント

長崎県産ブラックミント

——個性の違うミントを2種類採用することで、スースー感を実現したんですね！

「スースー感へのこだわりはまだまだ！今回は『ドライホップタンク』を利用し、ミントが入ったタンクにビールを循環させることで、ミントの香りをしっかりとビールに移せるよう工夫しました。」

ミントの入ったドライホップタンク(手前)と発酵タンク内をビールが循環している

——凄い！徹底的にミントのスースー感をミントから抽出したんですね！飲むのが楽しみです！！

編集後記

完成したビールはコーヒーのような黒い液色、アロマにはミントの爽やかな香りが感じられます。しっかり冷やした状態ではミントの清涼感が強く、温度が上がってくるとローストモルトの香ばしさが感じられるようになり、温度による味わいの変化も楽しめると思います。 これから夏本番！「大人のチョコミント」、「黒猫」、「Mint Black Waltz」の3種類のチョコミントビールで涼やかにお過ごししてみては？