ビアストーリー講座
チョコミン党必見!カカオニブを使用した本格チョコレート味!ビターでクールなチョコミントビール「黒猫」の醸造レポート
2024.05.05
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「こんなビール、できたらいいな。」
皆さんのアイデアからビールをつくるガレージ。HOPPIN' GARAGEです。
今回、「暁ブルワリー」さんとチョコ民党必見!「本格チョコレート味」のチョコミントビールをコンセプトにしたビールを一緒につくりました!
その名も
「黒猫」
カカオニブのビターなファーストアタックに、クールなミントが後追いするギャップのある黒猫のようなビールです。アルコール度数7%としっかりとした飲みごたえも魅力!
こちらの記事では、その製造工程をレポートします。
では「黒猫」は一体どのようにして醸造されているのか、 気になるその工程を暁ブルワリー八幡平ファクトリー中林さん(以下中林さん)にお伺いしていきたいと思います。
醸造長の中林さん
Step 1. 麦芽破砕
今回はアルコール度数が7%と高めのスタウトを仕込むので、1仕込みに使用するモルトは約530kgと、前回の「太陽がくれた赤いダイア」の約1.5倍の多さになります。 「チョコレートのような香ばしさやほろ苦さ」を表現するために、高温で焙煎されたカラアロマモルトと、黒っぽくなるまでしっかりと焙煎されたカラファモルトを使用しました。
オーガニックカラアロマモルト
オーガニックカラファモルト
また、「濃厚さと滑らかな口当たりを出すため」に、小麦モルトとオーツ麦も加えました。
オーガニックオーツ麦
Step 2. 糖化
粉砕したモルトをお湯と混ぜ合わせて、マッシュタンで1時間ほど糖化反応を進めます。濃厚な味わいを出すために、やや高めの温度で糖化を行い、甘味とコクが残るようにしました。
麦芽とお湯が混ざり合うマッシュタン内部
Step 3. 麦汁濾過
糖化を終えた後は、麦汁と麦芽カスを分離するために、ロイタータンへと移送し、麦汁を濾過していきます。オーツ麦を使用するのは初めてだったのですが、これまでにないほどに麦汁の濾過スピードが遅く、1日目は正直かなりドタバタしてしまいました。
Step 4. 煮沸
濾過を終えた麦汁をケトルに移し、90分間しっかりと煮沸していきます。
煮沸される麦汁
チョコやミントの香りを感じやすくするため、ホップは穏やかな香りのイーストケントゴールディングスをメインに使用しました。また、チョコレートの風味付けのための副原料として「カカオニブ」を選定しました。
カカオニブ
さらに、ほんのりと柑橘感を出すために「オレンジピール」、独特な甘い香りが特徴の「クローブ」を煮沸の最後の方に加えています。
クローブ
オレンジピール
Step 5. ワールプール
煮沸によって香りが飛ばないよう、ワールプールのタイミングでミントを漬け込みました。ミントには「鹿児島産のオーガニックペパーミント」を使用しました。出来上がった麦汁は、ミントの爽やかな香りと清涼感のある味わいとなりました。
鹿児島産のオーガニックペパーミント
発酵タンクに移送される冷却麦汁
Step 6. 発酵
使用した酵母はFermentis社Safale S-04。この酵母は麦汁中のマルトトリオースを食べられないので、ビールに「ボディとコク」を残すことができます。仕込み直後の麦汁はミントのスーッとする味わいが感じられていたのですが、発酵が進むにつれてミント感が軽くなってしまいました。これは以前醸造したミントビールでも経験していたので、発酵中にも再度ミントを加えて、ミント感を補いました。
写真:使用した乾燥酵母
編集後記
完成した「黒猫」は、チョコレートのような黒い液色、アロマにはミントの爽やかさとローストモルトの香ばしさが感じられます。
口に含むとカカオニブの風味の後にミントの清涼感が徐々に感じられ、オレンジピールとクローブが深みのある味わいを出しています。アルコール度数が7%ある濃厚な味わいなので、冷やしすぎずにじっくりと飲むのがおすすめです。
暁ブルワリー「黒猫」
チョコ民党必見!チョコ感強めのチョコミントビール
カカオニブのビターなファーストアタックに、クールなミントが後追いするギャップのある黒猫のようなビール。
黒く艶やかに光る毛並みをビターなスタウトに、大きな輝く瞳をクールなミントに置き換えて、黒猫をイメージしたビター& クールをコンセプトにしたビールにしました。
ローストモルトとカカオニブの香ばしいビターチョコ、クローブの甘美な香りがかすかに感じられ、ほのかな酸味とオレンジの柑橘の香りが全体を引き締めます。後味にはミントの爽快感が残ります。