「飲みやすい」の先にある本音へ。 お客様から約100件の声で進化した『PROTOTYPE BREWペールエール#002』開発秘話

「飲みやすい」の先にある本音へ。 お客様から約100件の声で進化した『PROTOTYPE BREWペールエール#002』開発秘話

――未来のペールエールを、みんなで考える。
「これからの時代には、どんなビールが求められるのだろうか?」
そんな問いから、サッポロビールの未来のペールエールプロジェクトは始まりました。
パートナーに迎えたのは、麦芽の魅力を最大限に引き出すクラフトブルワリー金沢百万石ビール
“麦を育てる農家”としての誇りを原点に、素材と真摯に向き合う石川県の醸造所です。

このプロジェクトの主役は、ビールを愛するお客様。
大量生産でも、作り手の自己満足でもない。
飲む人の声を起点に、ビールを進化させていく。
そんな考え方のもと、開発は進んでいきました。

本記事では、プロジェクトを立ち上げたサッポロビールの篠原さんへのインタビューをメインに 実際にレシピ設計・醸造を担った金沢百万石ビールのブルワー・古西さんの話も交えながら、 商品づくりの舞台裏を紐解いていきます。


商品の企画を担当した、サッポロビールの篠原さん

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1章 金沢百万石ビールとサッポロビールが挑む「未来のペールエールプロジェクト」

――まず、このプロジェクトは、どういうきっかけで立ち上がったのですか?
篠原:

「これからの時代には、どんなビールが求められるのだろうか?」
そんな問いを起点に、サッポロビールでは未来のペールエールプロジェクトを立ち上げました。
作り手の中だけで答えを出すのではなく、 飲み手の感覚や価値観も含めて、一緒に考えていきたい。
そのための新しい商品開発のかたちを模索したのが始まりです。
さらに既存の枠におさまらない、自由なものづくりを実現するために サッポロビールは商品を企画するだけにとどめ、実際のレシピ設計・製造は全国で活躍するクラフトブルワリーさんにお願いすることとしました。

――たくさんのブルワリーがある中で、パートナーとして金沢百万石ビールを選ばれた理由は?
篠原:

麦芽の魅力を最大限に引き出すブルワリーだと感じたからです。
金沢百万石ビールさんは、“麦を育てる農家”としての誇りを原点に、素材そのものへの深い理解と強いこだわりを持って、ビールづくりに向き合っています。
異なる歴史を持つ2社ですが、「理想の一杯を本気で追い求めたい」という想いが共鳴しました。
こうして、共創というかたちでのものづくりが始まったのです。

――プロジェクトの中で、最初にお客様に問いかけたのはどんなことでしたか?
篠原:

まずは2025年9月、サッポロビール直営オンラインストア「シュパーク」にて、お客様参加型のコンセプト投票を実施しました。
そこで選ばれたのが、「麦芽由来の芳醇な味わいと、ホップの鮮烈な苦み。
食卓にこの1杯があれば、他に何もいらない。
満足度120%の、飲みごたえ抜群のストロングペールエール。」
というコンセプトです。


サッポロビール直営オンラインストアシュパークで投票を実施

――その言葉を、どう商品に落とし込んでいったのでしょうか?
篠原:

この言葉を、どうすれば実現できるのか? 金沢百万石ビールさんに、設計の検討を重ねていただきました。 その挑戦の結果、2025年12月に誕生したのが、 第一弾となる「PROTOTYPE BREW ペールエール #001」です。

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2章 約100件の「期待」という名の宿題。#001へ寄せられた声

――#001はどんな評価を受けましたか?
篠原:

「飲みやすい」「香りが心地いい」といった声が多く寄せられました。
しかし、それと同時に、ビール好きの皆さんだからこそ気付く100件を超える愛のあるコメントが届きました。
「後味の余韻が少ない」
「ホップをもっと感じたい」
「軽快だが、もう少し厚みがほしい」
どれも、#001をしっかり飲んでいただいたからこそ生まれた声だと感じました。
私たちはその声を、次なる進化への「宿題」として受け取ることにしました。


2025年12月に発売したPROTOTYPE BREWペールエール#001

――どの様に第二弾の味わいを決めていったのでしょうか?
篠原:

まずは金沢百万石ビールさんとサッポロビールの二社合同で、お客様から寄せられた約100件の声に目を通しました。
サッポロビールからは日頃黒ラベルやヱビスといった商品の開発を担っている技術担当者にもチームに加わってもらい、「#001から、どこを変えるのか」「逆に、どこは変えずに守るのか」という方向性を整理していきました。
決めた方向性をもとに、金沢百万石ビールさんがビールのレシピを考え、実際に製造を行っていただきました。


実際の会議の様子

――様々な声を整理していくのは大変そうですね。
篠原:

はい。飲みやすさを評価してくれた方もいますし、よりクラフトビールらしい味わいを求める方もいました。
お客様から届いた言葉は、そのままではレシピに落とし込めません。
どういう体験を指しているのかを言語化し、「#002では、どんな一杯を届けたいのか」という問いを、何度も言葉にしていきました。
最終的に金沢百万石ビールさんに実現可能性も含めてレシピ検討を進めていただきました。

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3章 数値で見る進化。アルコール度数を「5.5%」から「6%」へ

――#002では、アルコール度数が6%に上がっていますね。
篠原:

はい。そうなんです。ただ、数字を上げること自体が目的ではありませんでした。 お客様の声を整理していくと、飲みごたえやコク・余韻の厚みがもっとあっても良さそうだということが見えてきました。 そこでアルコール度数を#001の5.5%から、#002では6%へと引き上げれば、これらの課題が解決できるのではないかというアイディアが生まれ、採用されることになりました。

――香りもアップデートしたんですよね。
篠原:

単にアルコールを強くするのではなく、ペールエールの命である「香り」も、あらためて再設計したいという話になりました。
香りづけに使うホップの量を増やし、ホップの投入タイミングなども見直すことになりました。
最初の一口から最後まで満足感が続く、より華やかで力強い一杯になったと思います。


ホップの使用方法を見直し(写真はイメージです)

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【ブルワーインタビュー】金沢百万石ビール・古西さんに聞く、#002の設計思想

――#002では、どのような点を意識して醸造されたのでしょうか?
古西:

#002では、ジューシーで飲みごたえのあるボディを重視しました。
口に含んだ瞬間に立ち上がる柑橘の香り、
中盤で感じる厚み、
そして後味にじわっと広がる苦みと麦の余韻。
それぞれをバラバラに感じるのではなく、
一体として流れるように感じられることを意識して、全体設計を改良しています。

――飲み進める中での変化もポイントなのですね。
古西:

はい。始まりから余韻まで楽しめる味わい。それがペールエール#002の特徴だと思います。

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4章 未完成の製品を世に問う。商品開発のプロセスにお客様に参加いただくという新たな挑戦

――PROTOTYPE BREWという名前に込めた想いを教えてください。
篠原:

「より良いビールの味わいを探求するラボ」をイメージして、PROTOTYPE BREWと名付けました。
新商品が世の中に生まれるとき、秘密裏に開発を進めるケースが多いと思います。たくさんの調査を経て、きっとこの商品が世の中をもっとよくするだろうと確信をもって商品が発表されていると思います。
でも、PROTOTYPE BREWは全然違う発想で、商品企画の立ち上げからお客様と一緒に行っていく未完成の商品なんです。今回の第二弾も完成品ではなくて、お客様の声をいただいてさらにブラッシュアップをかける予定です。
既存のやり方を否定するということではなくて、不確実でスピード感の早い現代社会だからこそ
「アジャイルにお客様と一緒に商品をつくる」。そんな考え方があってもいいんじゃないかなと思っています。

――お客様と一緒に商品開発を行っているのですね。
篠原:

はい、そうです。
お客様からいただいた声を商品づくりにダイレクトにいかすことで、自由な発想ができると思うんです。
金沢百万石ビールさんをパートナーとして迎えていることも非常に大切な点だと感じています。
異なる背景をもつ、ビールメーカーがタッグを組むことでより挑戦的なモノづくりができていると感じています。


お客様とともに開発を進めていく(写真はイメージです)

【答え合わせ】進化を体感する、最も贅沢な楽しみ方

――#002をどんなふうに楽しんでほしいですか?
篠原:

単品でその進化を味わうのも良いですが、最もおすすめなのは「#001」と「#002」を同時に開けること。
色、香り、そして喉を通り過ぎる瞬間の力強さ。そのすべてを比較する答え合わせの時間が、このプロジェクトの醍醐味ではないかと思います。
そして、このプロジェクトは#002で終わりではありません。第三弾に向けて更なる声を募集しています。
この商品をもっとよくするためにどんな工夫ができるか、ぜひ自由なアイディアを私たちにぶつけていただきたいです。

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※本記事の内容は、2026年5月時点の取材に基づいています。

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