クラフトビール入門講座
クラフトビールを常温保存してしまったけど大丈夫?正しい保管方法や楽しみ方も紹介!
2023.09.14
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うっかりクラフトビールを常温で保存してしまい、飲んでも問題がないか心配になったことはないでしょうか。
クラフトビールは、保存方法によって味わいが大きく変化するため、間違った方法で保存してしまっては本来の味わいが楽しめません。
この記事では、クラフトビールの正しい保存方法に加えて、よりおいしく飲むための方法も紹介します。 クラフトビールの適切な保存方法や温度管理について理解すれば、以前と違った感動を味わえるはずです。
もっとおいしくクラフトビールを飲みたい方に役立つ内容となっておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「要冷蔵」かラベルを確認する
買ってきたビールの保存方法は、ラベルを見て「要冷蔵」の表示があるかを確認しましょう。
基本的には、「要冷蔵のもの」と「要冷蔵ではないもの」両方とも冷蔵しておけば問題ありませんが、それぞれどのような管理方法なら問題がないのか解説していきます。
ひとつずつ見ていきましょう。
「要冷蔵」の場合
クラフトビールが要冷蔵の場合は、常温の場所に置いておくと当然劣化してしまいます。
低温下で酵母の働きをストップさせているので、好ましくない変化が起こる前に冷蔵することが、おいしく飲むための秘訣です。
冷蔵庫でなくても涼しくて暗い場所に置かれていた場合なら劣化が進んでいない可能性もあるので、気付いた時点ですぐに冷蔵しましょう。
「要冷蔵」じゃない場合
「要冷蔵」表記がないクラフトビールであれば、常温で保管しても問題ありません。 しかし、直射日光が当たる場所や熱がこもりやすい場所では劣化が進んでしまうので、避ける必要があります。室温としては、18℃程度までに抑えることが理想です。
夏場は室内の温度も上がるため、できるなら冷蔵庫に保管することをおすすめします。
「要冷蔵」のクラフトビールを常温保存したらどうなる?
要冷蔵のクラフトビールを常温保存した場合、風味や泡立ちに好ましくない変化が生まれます。 製品本来の味を求める方は、避けるべき現象です。
それぞれの変化についてくわしく解説していくので、参考にしてみてください。
味に変化が出る
要冷蔵のクラフトビールは、常温で保存すると発酵が進み、味わいが変化することは先述しました。 無濾過で作られたクラフトビールは、10℃以上になると酵母が活動を開始し、発酵が進みます。
場合によっては好ましい方向に変化するかもしれませんが、メーカーの意図した味ではありません。 さらに、直射日光が当たっていた場合は、劣化も顕著です。 クラフトビールは繊細な味のバランスを楽しむものなので、決められた保存状態を保たなければ、風味を損なって不快な味になることが多いのです。
香りに変化が出る
常温で保存した場合、ホップの香りは失われて、以下のような異臭を感じることがあります。
名前 | 匂い |
---|---|
カーボード臭 | 湿ったダンボールのような臭い |
酸化臭 | 違和感のある甘い香り |
日光臭 | 硫黄系、獣を思わせるような香り |
繊細なクラフトビールにおいてはホップの香りも味の一部なので、バランスが崩れると全く違う味になってしまいます。
泡立ちに変化が出る
常温保存して発酵が進むと、炭酸ガスが増えて、栓を開けた時に噴き出してしまいます。 放置していたビールが破裂して、保管場所がビールまみれにもなりかねません。
放置し続けて賞味期限が切れると、時間と共に炭酸が抜け、泡立ちが悪くなり、喉ごしも失われます。
泡はビールにとって大きな魅力のひとつなので、注いだときの泡立ちが損なわれないように注意しましょう。
クラフトビールがより美味しくなる保管のポイント
クラフトビールをよりおいしく飲むために、保管のポイントを押さえましょう。
管理する際の振動や温度によっては、味に大きな影響を与えます。 クラフトビールの繊細な味を損なわず楽しむために、正しい保管方法を理解しておきましょう。
ビールは前日までに準備しておく
その日に飲むビールは、前日に用意して静置しておくと、炭酸が安定しておいしくなります。
買った直後や輸送されたばかりのビールの味は、振動によって味にムラがあるといわれます。 開栓した時に炭酸が抜けやすいため、静置したビールと比較して味の差が生まれ、違和感を感じることが原因です。
飲料に含まれる炭酸には、香りを強く感じさせ、酸味をプラスし甘味や苦味をマイルドにする効果があるので、ビールにとって重要な成分といえます。
最低でも8時間、できれば24時間おいてから開栓すると、炭酸が安定して味のムラがなくなり、おすすめです。
参考サイト: 食のいま 第61号 「炭酸の味」|日本獣医生命科学大学
振動を避けて冷やしておく
クラフトビールに振動を与えると味のバランスが崩れるため、冷蔵庫内の置き場所には注意が必要です。
振動が起きやすい扉の裏のドアポケットや引き出し部分は、開け閉めの際にクラフトビールが動いてしまう可能性もあります。 出し入れが少ない場所に静置しておきましょう。
ビールの種類によって冷やし方が変わる
クラフトビールの種類によっておいしく飲める温度が違うため、香りや味わいを存分に楽しむには、飲み頃の温度を理解することが重要です。
ビールは大きく「ラガー」と「エール」の2つに大きく分かれます。
一般的に、ラガーは苦味を抑えて喉ごしを楽しむタイプのビールなので、低めの温度が適しています。 対して、エールビールはホップの香りや麦芽の風味をじっくりと楽しむビールなので、味や香りを感じやすくするためにラガーより少し高めの温度がおすすめです。
ここでは、「ラガー」「エール」「スタウト」の飲み頃の温度について、それぞれ解説していきます。 ひとつずつ見ていきましょう。
【6~9℃】ラガービール
ラガービールは、冷蔵庫から出してすぐ「6〜9℃」で飲むのがおすすめです。
日本で生産しているビールはラガービールが非常に多く、主に喉ごしや爽快感を楽しめます。
ただし、ゴクゴクと爽快感を味わうなら冷やせば冷やすほどよいのかというと、そうではありません。 冷やし過ぎてしまうことで、ビール本来の風味や香りが感じられなくなり、泡立ちも悪くなる場合があります。冷たさによってビールが濁ってしまうこともあるのです。
そのため適温は「6〜9℃」となっています。
【7~13℃】エールビール
ホップの香りが強いエールビールは、「7〜13℃」が飲み頃の温度です。
エールビールが生まれたアイルランドやイギリスといった涼しい土地では、そもそも冷蔵庫でビールをキンキンに冷やす習慣がありません。常温で飲むことを想定してつくられたのが、エールビールなのです。 エールビールは、冷蔵庫から出してすぐの状態ではなく、少し置き温度を上げてから飲んだほうが麦芽の風味やホップの香りを楽しめます。 温度の変化につれて旨みが増し、味わいが変わっていくところも魅力です。
【12~15℃】スタウトビール
黒ビールをはじめとするスタウトビールは、「12〜15℃」が飲み頃です。
濃厚かつ甘い味わいが魅力のビールなので、冷蔵庫から出した後しばらく置き、高めの温度で飲むことをおすすめします。
高めの温度で麦芽の風味がより引き立ち、芳醇な味わいを引き出すことができます。 スタウトならではのコクを、じっくりと楽しみましょう。
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