ビアストーリー講座
ふるさとへの愛が籠った福島の桃「あかつき」〜100年以上の歴史を持つ農家が手がけるこだわりの逸品

ふるさとへの愛が籠った福島の桃「あかつき」〜100年以上の歴史を持つ農家が手がけるこだわりの逸品

こんなビール、できたらいいな。

皆さんのアイデアからビールをつくるガレージ。HOPPIN' GARAGEです。

7月〜8月にかけて出荷の最盛期を迎える「」。

今回は、数ある桃の中でも、福島県の『フルーツファーム310』さんの「あかつき」をご紹介。

あかつき」に込められたストーリーを読んで、つくりたいビールアイデアを教えてください!

image

おいしい桃を、ビールにしたい

我々は「福島の桃」に着目。全国でも有数の“果物の宝庫”である『福島県』へと向かいました。

なぜ福島にはおいしい桃が成るのか?

その秘密の一端に触れるべく、100年以上に渡って果実たちを育て世に送り出してきた、とある農園に足を運びます。

育つ場所を選ぶ桃

image

東京駅から新幹線で約1時間半 ── 『福島県福島市』にやってきました。りんごやさくらんぼ、桃、梨、ぶどうなど、1年を通して様々な果物が実る“果物の宝庫 福島県”。中でも「桃」は、山梨県に次いで全国2位の収穫量を誇る品種です(令和5年産 農林水産省データより)。

ここで注目すべきポイントは、「桃は福島県内のどこでも栽培できるものではない。ここ“福島市だからこそ”質の高い桃を育てることができる」ということ。

image

果樹の生育には水はけの良さなども含め、そもそもの土壌の良さは必須の条件です。ただ、それだけには非ず。

果樹が昼間のうちに日光を浴びて蓄えた栄養は、気温の下がる夜には茎や葉には行き渡りにくくなります。逆にその栄養は「」に蓄えられ、結果、おいしさが増すのだそう。福島県内陸では最も標高が低いエリアだという福島市は、いわゆる盆地。「昼夜の気温差がとても大きい」という盆地特有の気候は、夜間における栄養の蓄積を大きく促し、よりおいしい桃を育てるのに適しています。

桃は育つ土地を選ぶんですよ。そこにまず価値がありますね

とは、今回お会いした農家の方の言葉です。

“福島愛”を内に秘め、実直に果樹たちに向き合ってきた漢(おとこ)との出会い

image

『JR福島駅』から北西へ車で20分ほど── 100年以上続く農園『フルーツファーム310』で我々を迎えてくださったのは、この農園を切り盛りする『株式会社フルーツファーム310』代表の佐藤辰彦さん。行動力があり、とてもアツい方だというのが、今回お話をして佐藤さんに対して抱いた率直な印象です。

福島のためになにかしたい

「大学時代から将来は独立して事業をしたかった」という佐藤さん。当時サラリーマンだった佐藤さんを農業の道へと突き動かしたものは、故郷に対する強い想いでした。

佐藤さんのご実家は代々続く果樹農家。2011年に起こった東日本大震災を機に、家業をお手伝いするようになったのだそう。すっかり農業の虜となった佐藤さんは、2017年からは専業農家として果樹たちと向き合ってきました。

image

お客様との距離を短く」をモットーとする佐藤さんは、旧来のやり方に決して囚われません。

直近注力されているのは「系統出荷(農家が農協組織を通じて青果物を出荷すること)ではない販売方法を、いかに構築するか」。具体的には、SNSでの発信活動も含めた各通信販売サイトでの販路拡大。さらには、レストランとの直接取引にも精力的に取り組まれています。もちろん各々お客様には佐藤さんご自身が向き合います。

佐藤さんの通販サイトはこちら:フルーツファーム310

周囲の方の多大なご協力に感謝しつつ、柔軟な思考と実行力で自らの想いを形にしていく

サラリーマンから転身し就農された佐藤さんという漢の一端が垣間見えます。そして、その根底には“故郷への強い愛”があるのだ、と。

image

佐藤さんが手塩にかけて育てる桃

フルーツファーム310』では、桃づくりを始めてから約40年になるのだそうです。 現在は3品種 ── あかつき、まどか、なつっこ ── を栽培しており、 中でも福島を代表する「あかつき」は7月下旬頃からの出荷を予定しています。

  • 柔らかくジューシーな「白鳳
  • 果肉固めで酸味の少ない「白桃

これらを交配させ誕生した「あかつき」は、果肉はギュッと濃密で果汁は豊かに甘味と酸味とのバランスの良さも大きな特徴です。

image

上の写真は、取材当日(6月下旬)の「あかつき」。まだ若々しい薄緑色の実の一部がほ〜んのり桃色掛かっているのをお分かりになりますでしょうか?収穫の時期に向けていままさに一層のおいしさを蓄えている「あかつき」たち。生命のみずみずしさを感じる光景です。

佐藤さんに桃へのこだわりをお聞きしました。

「それはもう『糖度』ですね」

果実のおいしさを感じ得る重要な要素である糖度。日照時間(その蓄積)に比例し、桃の糖度は増していきます。ちなみに、農業協同組合(JA)が定める「あかつき」の目標糖度は12度ほどだそう。

ただ、佐藤さんが手がける「あかつき」の糖度は、昨年実績で14度前後を計測しました。これは一般的にメロンなどと同程度の数値になります。

なぜ佐藤さんが育てる桃の糖度は高いのか

image

毎年12月頃から始まる桃づくり。出荷までの約7〜8ヶ月の間、桃たちは様々な工程を経て成長していきます。例えば、

  • 日当たりや風通しを良くし、より一層光合成を促すための「剪定(不要な枝を間引く)」
  • 栄養分の分散を防いで実を大きくするための「摘蕾(開花前につぼみを摘む)」や「摘果(実を間引く)」

中でも佐藤さんが特に気を遣うのは「摘果」だそう。

実の大きさと質の良さを同時に担保するには、どの時期に、どれだけ摘果するかを見極めねばなりません。最終的に、核割れ果(種の発育や形成が不十分で、味も劣る果実)を残さないようにも気を遣います。日々果実たちと向き合いながらその頃合いを見極める、まさに佐藤さんの腕ならぬ、“経験と目”の見せ所の1つです。

image

さらに、佐藤さんがこだわるのがアミノ酸の供給。つまり、肥料・堆肥です。

糖度において高い数値を叩き出す佐藤さんの桃。肥料の選定や具体的な配合等については「どうか企業秘密で」とのことでしたが、“佐藤式アミノ酸肥料”がおいしさを底上げしていることは疑いようもありません。

桃を育てるために必要な様々な工程。各工程の実施時期を見極め、適切な規模で行うこと。それを実施・実現するために農家として積み上げてきた経験。匠の目。おいしさを追求するためのこだわり等々 ──

これらが盆地である『福島市』の特性や土壌の良さ等の上に積み上がってこそ、佐藤さんの農園で高糖度な桃が育つのだ、ということを痛感します。おいしい桃の誕生にはこれらなにひとつ欠けてはならないのだ、と。

まもなく出荷の刻を迎える、佐藤さんの「あかつき」

image

佐藤家の1日は非常にハード。通常、夜明けと同時に仕事を開始します。桃の収穫時期ともなれば朝4時頃には起床し、収穫や仕分け、発送作業が15時頃まで続くのだそう。同時に、その他青果物の栽培・管理や、お客様への応対も欠かせません。ようやく体が休まるのは、夜22時頃になってからだと言います。桃のおいしさの裏には、農家の皆さんが込めた想いや愛情はもちろん、様々なご苦労があることも決して忘れてはなりません。

ビールアイデア募集について

佐藤さんが手塩にかけて育てた「あかつき」が出荷される7月下旬までは、もうまもなくです。 この桃たちがクラフトビールとして姿を変えた時、どんな味わいとなって我々を楽しませてくれるのか?
ぜひ、皆さまのビールアイデアを教えてください!

image

■募集内容

佐藤さんが育てた「あかつき」の果汁を使用したビール・発泡酒のアイデア

■ビールアイデア募集期間

2024年7月19日~8月4日 23時59分まで

■アイデアがビールになるまで

HOPPIN’ GARAGEストアの会員の皆さまからの投票で、醸造するビールアイデアを決定します。ビール醸造は網走ビールさまで実施予定です。 販売は2024年の12月ごろを予定しています。

このサイトはアルコール関連のページであり
20歳以上の方を対象としています。
あなたは20歳以上ですか?

いいえ