ビアスタイル講座
フルーツビールとはどのようなビール?魅力や種類、おすすめ商品を紹介!
2023.09.23
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「ビールは苦味があって飲みづらい…」という方におすすめなのが、フルーツビールです。
ただし、一口にフルーツビールといっても原料によって味が違うため、好みのフルーツビールに出会うのは簡単ではありません。
そこで今回は、フルーツビールの特徴や原料による味の違いを解説し、おすすめの商品もご紹介します。
普段飲んでいるビールとは違うものを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
フルーツビールとはどのようなビールなの?
フルーツビールは、その名の通りフルーツを加えて醸造したビールのことです。
ベルギーでは伝統的なスタイルのビールであり、さまざまなフルーツを利用した商品が販売されています。
ここでは、フルーツビールの特徴や歴史、製法について解説していきます。
フルーツビールの特徴や魅力
フルーツビールの特徴を以下にまとめました。
- フルーツの香りや甘さで苦味が抑えられている
- アルコール度数は3~12%と幅広い
- さまざまな色のビールがある
- 厳密にはビールではない
フルーツが入っているためビールの苦味が抑えられており、ビールが苦手な方でも飲みやすいのが魅力のひとつです。香りや甘さを活かして、食後のデザートのような楽しみ方もできます。
フルーツが加えられていることから飲みやすいビールとなっており、全体的にアルコール度数は控えめとなっています。ただし高いものでは12%のものもあるので、自分の好みに合ったフルーツビールを選びやすいです。
使われるフルーツの色素によって、ビールの色に違いがあります。違う種類のフルーツビールを並べて飲んでみると、味の違いだけではなく見た目の違いでも楽しめるでしょう。
日本では酒税法によってビールの定義が厳密に決められており、使用原料と麦芽の使用割合の条件を満たす必要があります。フルーツはビールの原料として認められておらず、そのためフルーツビールは実際のところ発泡酒に分類されるのです。
フルーツビールの歴史を知って理解を深めよう!
フルーツビールは、1900年頃ベルギーのランビックビール醸造家によってつくられたのがはじまりとされています。しかし一説では、16~17世紀あるいは6世紀頃にはすでにフルーツビールは存在していたとのことです。つまり非常に歴史のある伝統的なビールであるといえるでしょう。
最初のフルーツビールは、ベルギーの伝統的なランビックビールをベースにつくられたといわれています。当時、発酵による酸味が特徴のランビックビールは、飲みやすいピルスナービールの台頭によって国内での人気を失っていました。
存続の危機を感じたランビックビールの醸造家たちは、味の改良を目指し、さくらんぼやラズベリーを加えることを思いつきます。その結果、ランビックビールの酸味にフルーティーさが加わった新たな味わいのフルーツビールが出来上がり、たちまち人気が広まりました。
その後さまざまな醸造所がフルーツを使用したビールの醸造を始め、ゴールデンエールや白ビールでも果実入りの商品がつくられるようになっていったのです。
1980年には、ベルギーのリンデマンス醸造所とデ・トロフ醸造所が、今まで使われていなかったフルーツを使ったビールを開発します。その開発に使われたフルーツとは、バナナでした。
バナナのトロピカルな味わいが意外にもビールとマッチしたため、マンゴーやパパイヤなどさまざまなトロピカルフルーツが使用されるようになり、現在の多様なフルーツビールを生むきっかけとなりました。
フルーツビールの製造方法を紹介!
フルーツビールは、フルーツの種類だけではなく、投入されるタイミングや方法によって味が変わるのも魅力のひとつです。
フルーツビールの製法は、大きく分けて以下の3つになります。
- ビール主発酵前に果実や果汁を入れる
- ビール主発酵後、熟成段階で果実や果汁を入れる
- どちらもおこなう
フルーツを投入するタイミングは発酵前か発酵後です。
発酵前に投入することで酵母がフルーツの糖分を吸収し炭酸ガスとアルコールに分解するため、甘さを抑えた仕上がりになります。
一方で発酵後にフルーツを入れると、発酵前に投入するより甘みや香りが強調されます。 しかし発酵後に糖分が加わることで、再発酵して炭酸ガスの量が増えてしまうリスクがあるため、注意が必要です。
フルーツに付着した菌によってビールづくりがうまくいかない場合もあるため、それらのリスクも考えた上でうまく仕上がるよう、工夫してつくられています。
フルーツビールの種類とそれぞれの特徴や魅力を紹介!
フルーツビールには多様なフルーツが使用されており、フルーツによってそれぞれ味わいが変わります。好みのフルーツが使用されたビールを選ぶのもよいですが、事前にフルーツごとの特徴を知ることで、さまざまなビールにチャレンジしやすくなるでしょう。
ここでは、フルーツビールに使用されている果物についてご紹介し、それぞれの味についても解説していきます。お気に入りのフルーツビールを探す参考にしてみてください。
甘くて飲みやすいベリー系
フランボワーズやさくらんぼといったベリー系のフルーツビールは、ビールが苦手な方にもおすすめです。
ベリー系フルーツビールは、果実の甘みと香りが漂うほどよく甘酸っぱい味わいで、果実味の強いビールが多く見られます。フルーツビールの素材として定番な果物であり、伝統的なベルギーのフルーツビールにもベリーが使われたものがさまざまあります。
初めての方にもチャレンジしやすいのが、ベリー系のフルーツビールです。
さっぱりとした柑橘系
柑橘系のフルーツビールは、さっぱりとした味わいが特徴です。
レモンやグレープフルーツ、オレンジ、ゆずといった果実が使用されています。甘さが控えめでさっぱりしているので、食事にも合わせやすいビールといえるでしょう。柑橘系のフルーツは他のお酒にも使用されることが多く、飲み慣れたものがいいという方も違和感なくいただけます。
柑橘系のフルーツを使ったフルーツビールは、スタンダードなビールが好きな方にも受け入れやすい味です。
濃厚な味わいのトロピカル系
トロピカルフルーツを使ったフルーツビールは、とろっとした濃厚な味わいが特徴です。 パイナップルやマンゴー、パッションフルーツといった果実が使用されています。
トロピカルフルーツを使用すると、香りと甘みが強いまろやかな味に仕上がるので、果実味が強く濃厚な味わいを楽しめます。
ベリー系と同様、ビールの苦味が苦手な方におすすめのフルーツビールです。
カクテルのような桃・りんご系
桃やりんごを使ったフルーツビールは、カクテルのような味わいが特徴です。使用することでフルーツの香りが強く出るので、アルコール感が弱まり、飲みやすくなります。
甘さや香りがありながらも、さっぱりとしていて飲みやすいため、お酒が苦手な方や甘すぎるものが苦手な方にも+おすすめのフルーツビールです。
フルーツビールに合う料理
フルーツビールに合う料理やシーンについてご紹介します。
甘みがあるベリー系には、チーズやスイーツが合います。 特に塩気があるチーズとは相性がよく、ちょっとした晩酌にもピッタリです。 食後のスイーツと合わせてもマッチします。
柑橘系やりんご系は、さっぱりとしていて食事に合わせやすいです。 とくにお肉や揚げ物などこってりとした料理と相性がよいでしょう。口に広がった食材の油をさっぱりと流してくれるので、食事が進みます。
トロピカル系は食後酒として楽しむのがおすすめです。 まろやかで濃厚な味わいは単体でも楽しめるので、デザート感覚でいただくのもよいでしょう。
お好みのシーンや料理に合わせて、お気に入りの組み合わせを見つけてみてください。
種類別おすすめフルーツビール4選
ここからは、以下のおすすめフルーツビールを4選ご紹介していきます。
- ベアレン「ラズベリーエール」
- サンクトガーレン「 湘南ゴールド」
- いわて蔵ビール「パッションエール」
- 宮下酒造「ピーチピルス」
フルーツの種類別におすすめ商品を選びました。 ひとつずつ見ていきましょう。
ベアレン「ラズベリーエール」
ベアレン「ラズベリーエール」は、岩手県産ラズベリー使用のフルーツビールです。 アルコール度数は5.5%で、盛岡市の果樹園で栽培された希少なラズベリーを贅沢に使用しています。
主発酵のタイミングでラズベリーの果実を大量に投入し、2週間麦汁に漬け込み、手作業で取り除く…という手間をかけてつくられた商品です。
ベアレン醸造所は、地元岩手に根ざして、ヨーロッパの伝統的なビールを手造りにこだわって製造している企業です。本商品は1仕込みのみの数量限定でつくられています。
ラズベリーの甘酸っぱくさわやかな酸味がありながらも、ビールの特徴をしっかりと残した味わいです。
参考サイト:ラズベリーエール|株式会社ベアレン醸造所
サンクトガーレン「湘南ゴールド」
サンクトガーレン「湘南ゴールド」は、湘南ゴールドを使用したアルコール度数5%のフルーツビールです。エールビールにとことんこだわっている醸造所「サンクトガーレン」が製造しています。
湘南ゴールドとは、神奈川県が12年をかけて育成したオリジナル品種の柑橘で、レモンのような色とオレンジのように濃厚な甘さを持つ果実です。
皮も実も丸ごと手切りで投入してつくられているため、柑橘の皮由来であるほのかな苦味と豊かな香りを感じられます。口当たりは柔らかで、ビールの苦味を抑えた飲みやすいフルーツビールです。
参考サイト:サンクトガーレン 湘南ゴールド(オレンジ弾けるフルーツビール)|サンクトガーレン有限会社
いわて蔵ビール「パッションエール」
いわて蔵ビール「パッションエール」は、パッションフルーツを使用した、アルコール度数5%のフルーツビールです。季節限定で醸造されています。
いわて蔵ビールは、岩手県の酒造メーカーである「世嬉の一酒造」が1995年に立ち上げたクラフトビールブランドです。世嬉の一酒造における酒造りの技と、醸造士の経験・知識が活かされた製品づくりをおこなっています。
「パッションエール」は伝統的なベルギービールの製法を取り入れながら、独自の製法でフルーツの香りを引き立たせた商品です。甘みを抑えた味わいで、さまざまな食事に合います。
小麦麦芽を使用しており、果実の風味とビールのなめらかな喉ごしを両立させた味わいです。
参考サイト:パッションエール|世嬉の一酒造 株式会社
独歩「ピーチピルス」
独歩「ピーチピルス」は、岡山県の総合酒類メーカー・宮下酒造が販売する、桃を使ったアルコール度数5%のフルーツビールです。
同社のブランドである「独歩」は、岡山の美味しい水にドイツの原材料を用いて製造しており、本場の技術指導を受けてつくられているのが特徴です。
独歩のピルスナーをベースとしているため、少し濁りのある薄い黄金色に仕上がっています。
岡山県産のみずみずしい桃が使用されており、栓を開けると果実の香りが広がるのが特徴です。甘すぎずバランスのよい味わいで、食前酒としても楽しめるでしょう。
参考サイト:ピーチピルス瓶 | 宮下酒造株式会社
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