クラフトビール入門講座
クラフトビールはこう作る!作り方や"もっと"美味しくなるコツを紹介!
2023.09.23
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個性豊かなクラフトビールは世界中に数多くの商品があり、自分好みの銘柄を見つけてさまざまな味を楽しむことができます。
意外なことに、小規模な醸造所で作られることが多いクラフトビールは、自宅で簡単に作ることも可能です。ただし、美味しく作るためには決まった工程を守り、ビールづくりの知識を頭に入れておく必要があります。
本記事では、実際に醸造所で行われているクラフトビールの作り方を6つのステップに分けて解説し、お酒を作るときのルールである酒税法や美味しく飲むコツについてもご紹介します。
クラフトビールを飲む機会が増え、ビールづくりに興味が出てきた方におすすめの内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
クラフトビールの作り方6ステップ
醸造所で行われているクラフトビールの作り方を6つの手順に分けて紹介します。
まずは基本的な材料を以下にまとめました。
- 麦芽
- 酵母(イースト)
- ホップ
- 水(お湯) 次に醸造所での工程について解説していきます。
①製麦
ビールで主に使われる「大麦」を水に浸して発芽させたのち、10~20℃に保たれた部屋でさらに成長を促進させ根を出します。
ある程度まで発芽が進んだら、発芽を止めて酵素を残しておくために、まずは低めの温風、次に80℃ほどの熱風を当てて乾燥させます。このとき、作るビールによっては麦芽に当てる熱風の温度をより高温にして、焙煎をおこないます。なお、この高温の熱風や焙煎によって焦げ目が付いた麦芽でビールを作ったものが黒ビールになります。
乾燥が済んで除菌され長期保存ができる状態になったら、渋みや雑味の原因となる根を取り除き、1か月程度寝かせて熟成させます。
②糖化
「糖化」とは麦芽に含まれるでんぷんを「糖」に変える工程のことです。
糖にならないと発酵が進まずビールにならないため、ビール作りにおいて重要な工程です。
糖化させるために麦芽を粉砕機で砕いて釜の中に入れ、お湯を入れて温度を上げながら熱を加えていきます。
この作業で麦芽に含まれる「酵素」が働き、でんぷんを分解して糖が生まれることでタンパク質はうまみ成分である「アミノ酸」に変化します。
③ろ過
糖化の後、どろっとしたおかゆのような液状の「マイシェ」になったら、固形物と液体を分離させるためにろ過材を使って「ろ過」を行います。
ろ過の方法はメッシュの金属板にろ過材や砕いた殻をフィルターとして利用し、循環させながら慎重に液体だけを抽出していきます。
このときに圧力をかけて強制的にろ過させると濁った状態になったり、味に悪い影響を与えるため自然にろ過させないといけません。
この工程で抽出された澄んだ麦汁は「第一麦汁」と呼び、ろ過して残った「もろみ成分」にお湯をかけて麦汁を取り出したものを「第二麦汁」と呼びます。
④煮沸
次はろ過した麦汁を「ホップ」と共に煮沸して殺菌、香りや風味を付ける作業です。
ホップはアサ科の植物にできる「毬花(まりばな)」と呼ばれる部分のことで、加えて煮出すことでビールに苦味と香りを与え、泡持ちを良くしてくれる効果があります。
また、もうひとつの煮沸の大きな目的として、発酵の失敗を防ぐということがあります。
殺菌を行わないとビール内に残った微生物によって発酵がうまく進まず、ビールづくりが失敗に終わるため重要な作業のひとつです。
⑤冷却発酵
煮沸され高温の麦汁をワールプールタンクと呼ばれる円筒形の槽に移し、集まった固形物の除去を行い、冷やしながら発酵槽に移します。
冷まして発酵に適した温度になったら、「酵母」が投入され、酵母が糖を取り込み発酵がはじまります。
この発酵によって糖はアルコールと炭酸ガスに変化し、麦汁からビールへと変化していくのです。
約1週間で、完成に近い状態である「若ビール」ができあがります。
なお、このときの酵母の種類によって発酵する際に酵母が浮き上がる「上面発酵(エール)」と酵母が沈んでいく「下面発酵(ラガー)」に分かれます。
上面発酵の発酵温度は15〜20℃くらいで、「ペールエール、スタウト、アルト、ヴァイツェン」で用いられ、下面発酵の発酵温度は10℃くらいで「ピルスナー、ミュンヘナー」などに多く用いられる方法です。
⑥熟成
若ビールを美味しくするために、低温のタンクの中で熟成が行われます。
糖化の工程で起こる発酵は「主発酵」と呼ばれますが、熟成工程で起こる発酵は「後発酵」といいます。
この後発酵により、炭酸ガスが溶けて喉ごしのある泡が生まれ、雑味がとれて熟成されたビールに仕上がります。
熟成期間は種類によってさまざまですが、標準的には1ヶ月程度とされています。
クラフトビールが”もっと”美味しくなるコツ
よりクラフトビールを楽しむために、美味しく飲むコツを紹介します。
クラフトビールの飲み頃の温度を理解したり、注ぎ方を変えることで個性ある味わいを最大限に引き出すことができます。
独特の香りや風味を最大限に引き出さずに飲んでしまっては、非常にもったいないです。
ぜひコツを覚えておきましょう。
冷やし方にこだわる
ビールには適温があり、大まかに分けて「ラガーはよく冷やす」「エールは常温」といった傾向があります。
種類別に飲み頃の温度を以下の表にまとめました。
ビールの種類 | 飲み頃の温度 | 味わい |
---|---|---|
ラガービール | 5~7℃ | 喉ごしや爽やかさがアップする |
エールビール | 7~12℃ | 香りや風味が際立ち、温度が上がるごとに味わいが変わる |
スタウトビール(黒ビール) | 12~15℃ | 常温に近いほうが香りが引き立つ |
ビールの種類 飲み頃の温度 味わい ラガービール 5~7℃ 喉ごしや爽やかさがアップする。 エールビール 712℃ 香りや風味が際立ち、温度が上がるごとに味わいが変わる。 スタウトビール (黒ビール) 1215℃ 常温に近いほうが香りが引き立つ。 喉ごしを楽しむものは冷やして、香りを楽しむものは常温に近い温度で飲むと考えるとわかりやすいかもしれません。ぜひ試してみてください。
注ぎ方にこだわる
ビールの注ぎ方には「一度注ぎ」と「三度注ぎ」があります。
爽快なのどごしを味わいたいなら一度注ぎ、泡もしっかり味もマイルドにしたいなら三度注ぎがおすすめです。
一度注ぎの方法は以下です。
- グラスを少し傾ける
- グラスの側面にビールを当てながら、左回りに渦ができるように注ぐ
- 泡のバランスをみて止める 一度注ぎの良さは炭酸が程よく飛ぶので、ゴクゴクと喉ごしが楽しみやすくなるところです。
注意点として、勢いよく注ぐのでこぼれるおそれがあります。掃除しやすいキッチンの流しなどでおこないましょう。
三度注ぎの方法は以下です。
- 平らなところにグラスを置く
- 底に当てて泡が立つように半分まで注ぐ
- 上部の荒い泡が消えたら9分目までゆっくり注ぐ
- 泡の状態を見ながら7:3になるように注いで完成 三度注ぎはきめ細やかな泡が蓋の役目をしてくれるので、香りが長く楽しめて苦み成分が泡に凝縮されるのでまろやかになるのが特徴です。
それぞれの注ぎ方で味わいが変わるので、ぜひ色々試してみてください。
ビールの楽しみ方は一つじゃない
クラフトビールは味だけでなく、色、香り、料理との相性など多くの要素にこだわれるところが魅力です。
クラフトビール単体で楽しむこともできますが、「ペアリング」といって、料理と一緒に味わうことで更なる相乗効果を生み出すことができます。
例えば淡い色のビール(ピルスナー)にはあっさりとした豆腐や魚料理、濃い色のビール(スタウト)にはこってりとした肉料理といったように相性の良い組み合わせを楽しむ方法です。
これまで紹介してきたようにクラフトビールの知識を深めることで、新たな世界が生まれるのも魅力のひとつです。
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