ビアスタイル講座
初心者にもおすすめの「アメリカンラガー」の特徴や美味しい飲み方を紹介!
2023.10.31
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暑い夏、噴き出る汗、のどの渇き、そんな一日が終わって、まだ日が高いけど ビールが飲みたいよ~。 そんな時は爽快な飲み味のアメリカンラガーがお勧めです。 皆さん知っているバドワイザーが代表的ですよね。 暑くて乾燥したアメリカ中西部、そこで生まれたバドワイザーは軽くて切れがあって爽やか、乾いたのどを潤すにはもう最高です。 アメリカンラガーを表す言葉としては「自由」「青空」「希望」そして「軽薄」。 軽薄と言っても、悪い意味じゃなくて、この場合は誉め言葉で使っています。 細かいことにこだわらず、自分に自由でありたい、うだうだ悩んでないで、気楽にいこうぜ、そんな感じかな。
「アメリカンラガー」ってどんなビールなの?
アメリカ発祥の下面発酵ビール。淡く黄金色に輝き白い泡が映える爽快なさっぱりしたピルスナースタイルのビールです。ピルスナーよりさらにのど越しが良くて、苦みも少ないので、ビール初心者や、女性にも飲みやすいビール。 アルコールは5%くらい、原料は大麦、ホップ、米、それにトウモロコシ、アメリかは世界一の生産量を誇るトウモロコシの国ですからね。 炭酸は少し強め、ビールの温度は5~7度と少し冷やして飲みます。
「アメリカンラガーは水っぽくてさ」って言われることもありますが、これはちょっと見当違いかな。 「水っぽい」って、そもそもそういうビールなのです。※ 乾燥したアメリカの国土、開拓の歴史、その中で生まれて、のどの渇きをいやしてくれたビール。 濃厚さはいらない、のど越し、爽快さ、サラサラ感を大切にしたビールなのです。 水の豊かな日本に育った私たちとは、違う世界のビールかもしれません。でも アメリカの人たちにとってはのどを潤し、気分もさわやか、明るい未来が待ってるぞ、そんな気持ちにさせてくれるビールです。
( たとえばペールエールとの比較 )
アメリカンラガー | ペールエール | |
---|---|---|
発祥 | アメリカ合衆国 | イギリス |
発酵 | 下面発酵(ラガー) | 上面発酵(エール酵母) |
色 | 麦わら色~薄い金色 | 金色~濃い金色 |
度数 | 4.1~5.1% | 4.5~6.2% |
原料 | 大麦麦芽、ホップ コーンスターチ、米、糖類、 その他穀物が使われることが多い。 |
大麦麦芽、ホップ(多い)、 その他 |
最適温度 | 7度前後 | 9~13度前後 |
有名な銘柄 | バドワイザー ミラーズ・ライトラガー クァーズ |
バス フラーズ サミエルスミス |
※アメリカ人がウィスキーのストレートのチェイサーにビールを飲んでいるのには驚きました。やっぱり彼らにとっては水なのかな。 (チェイサー:ウィスキーなどの強いお酒を飲む場合、悪酔いや脱水症状を防ぐために飲む飲み物、普通は水です )
どんな歴史があるの?
アメリカの最初のビールは、17世紀の初めメイフラワー号に乗ってイギリスからやってきました。それ以降もイギリスからの入植者が増え18世紀ころまでは、ビールもイギリスで主流だった上面発酵のエールビールが主流となったのです。 その後19世紀にはいるとアメリカではドイツ系移民も増え、ドイツ発祥の下面発酵タイプのラガービールがアメリカで飲まれるようになりました。 そのころチェコでは爽やかでのど越しのいいピルスナービールが誕生し、アメリカでも人気となり、さらに19世紀後半にはビールの三大発明と言われる、「アンモニア冷凍機」「低温殺菌法」「酵母純粋培養法」により、ラガービールの製造に拍車がかかったのです。このころ設立されたバドワイザーは、いち早く低温殺菌法を取り入れ、また広い大陸を鉄道での長距離輸送によりアメリカ全土に供給することができ、20世紀の初めに全米のトップシェアーになりました。
魅力はどんなところ?
新大陸アメリカには、イギリス以外にもヨーロッパから、貧困、社会不安、弾圧、宗教の対立、などの理由で、ヨーロッパから次々に移民がやってきました。でも、自由と夢と希望にあふれたアメリカだったのですが、そこでも、成功者との格差は生まれ、苦労の連続でした。そんな時一日が終わり、疲れとのどの渇きをいやしたのは、生水は飲めないアメリカなので、爽快で軽くて飲みやすい、ラガービールだったのです。アメリカンラガーの特徴と魅力はまさにそこにあります。 なんといっても、飲みやすさです。苦みも少なく、軽い飲み口、のど越し爽快、アルコールは4~5%、ビールの初心者や女性にも優しいビール。 そして最大の魅力は、その自由さにあります。ヨーロッパの伝統は時として、堅苦しさが伴います。こうしてはいけない、これが決まりだ、ああしろ、こうしろ、 グラスはこうだとか、冷やしすぎはだめだとか、泡はどうだとか。 新大陸、未来しかない自由の国アメリカのビールの楽しみ方には決まりはありません。キンキンに冷やそうが、直接瓶から飲もうが、自分が好きなように飲めばいいのです。 それが一番の魅力です。
じゃあどんなビールがお勧めなの?
そうですよね、最初はどんなビールがいいかわかりませんよね。 なので、私のおすすめのビールを三つご紹介します。 でもこれはあくまで私のおすすめです、参考にしていただく程度で、いろいろ飲んでいただいてご自分の好みのアメリカンラガーを見つけてください。
パブストブルーリボン
1844年にミルウォーキーで誕生した、安くて飲みやすい「これぞアメリカ」といった大衆のビール。昔ながらの伝統の味を変えずに、大手ビールメーカーの傘下には絶対に入らないぞ!というアメリカの頑固オヤジの気迫。コンセプトは“ALWAYS ORIGINAL”。 ところでこのビール、成分表示の最初にWATERって書いてあります。 まあそうですよね、だってビールの9割は水だしね。でも「アメリカンラガーは水っぽい」っていう評価に対して、「そうだよ、水だもん」、って言っているみたいです。いいな~こういう感じ。こういうところにアメリカを感じてしまいます。 ビールと同じくらい映画が大好きな私ですが、クリント・イーストウッドの名作「グラントリノ」でイーストウッドが玄関先で飲んでいたビールがこれ。頑固オヤジ役のイーストウッドが頑固オヤジのビールを飲んでいたわけです。 アルコール4.6%スッキリした味わいに薄っすらとトウモロコシの香りを感じるのは私だけ?バドワイザーとはちょっと違った味わいになると思います。 ちなみに、このビール麦芽比率が低いので、日本では発泡酒の扱いになっています。
バドワイザー
誰でも知ってるバドワイザー!1860年にセントルイスで誕生。昨年の世界売上ランキング2位!(1位は中国の雪花ビール) これは外せませんね。アメリカンラガーの代名詞。スッキリした飲み口は何杯でも飲めてしまいそうです。 アメリカの映画ではよくバドワイザーが出てきます。アメリカを象徴するビールですからね。「トップガン」「ブルース・ブラザース」 「ユージュアル・サスペクツ」とかかな。 お勧めは「ユージュアル・サスペクツ」1995年のアメリカのサスペンス映画で 宝石強盗が成功した主人公たちが、乾杯したのがバドワイザーでした。ちなみに強盗の一人はバドワイザーをチェイサーにしてウィスキーを飲んでいました。 ほらね、アメリカ人はチェイサーにビールを飲むのです。
ミラー
バドワイザーに次いで、こちらも有名。パブストブルーリボンと同じくミルウォーキーで1855年に誕生。 そうそう、これも映画に登場します。トムハンクス主演「フォレスト・ガンプ/一期一会」アカデミー賞の映画。ご存じの方も多いと思います。主人公が大みそかの夜BARで飲んでいたビールです。アメリカンラガーの軽さ、爽快感に加えて、酸味と麦っぽさが出ている味が特徴的です。 ところが残念なことに、販売しているモルソン・クアーズ・ジャパンが日本から撤退してしまったので、日本では飲むことができません。コロナ禍の影響もあったと思います。残念ですが海外に行く機会があれば是非飲んでみてください。
最後に
という事で、アメリカンラガーについていろいろお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。ビールもそうですが、飲み物や食べ物はその土地の影響を大きく受けます。イギリスからやって来たビール(ペールエール)がアメリカの気候や、社会、歴史、などのなかで変わってきて、アメリカらしいビールが出来上がりました。それがアメリカンラガーです。 もちろん、アメリカでは他にもいろいろなスタイルのビールが発展してきました。例えば、アメリカンスタイルペールエール、アメリカンスタイルIPA,カリフォルニアコモンビールなどなど。またアメリカはクラフトビールが多いので、様々なテイストのビールがあります。 そのなかで、歴史的にも、また、一番アメリカらしさが表れているビールがアメリカンラガーだと、私は思っています。アメリカンラガーを飲むとき、その中に詰まっているアメリカの自由と希望と未来を一緒に飲み干して、気分爽快になりましょう。
ペンネーム:青木 なつめ
自己紹介:ビールは人生の相棒、長い付き合いです。 趣味は、ランニング、読書、映画鑑賞、オートバイ、温泉、スーパーのレジのおばちゃんにジョークを言って笑わせること。映画を見て、本を読んで、飽きたら走って、時間ができたらオートバイで山奥の温泉に行って湯上りにビールを飲む、ほかに望むものはありません。
びあけん1級合格回数:1回
居住エリア:神奈川県藤沢市の海岸のそば
好きなビール:サッポロラガービール(赤星)
好きなビアスタイル:ピルスナー
最近注目しているブルワリー:サンクトガーレン、地元のビール
最近飲んで美味しかったビール:パブストブルーリボン
SNSアカウント情報: http://jinseiha-munasiinoka.seesaa.net/
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