豊潤なホップ香とスッキリとした飲み口が絶妙な「ホッピンラガー」のこだわりをご紹介

豊潤なホップ香とスッキリとした飲み口が絶妙な「ホッピンラガー」のこだわりをご紹介

ホッピンおじさんが多くの魅力的な人々と出逢い、その人生ストーリーを珠玉のビールに仕立て上げてきた末に辿り着いた、HOPPIN'GARAGEのフラッグシップビール「ホッピンおじさんのビール」。それが装いも新たにホッピンラガーとなりました。フルーティでトロピカルなホップの香り爽快な後味をあわせもつHOPPIN' GARAGEが提案する新定番のラガービールです。

ホッピンラガー」は、全国各地のクラフトビールを審査する国内最大級の品評会「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」のインディア・ペールラガー部門で銀賞を受賞しました。

その美味しさは秘密はコリアンダーシードモザイクホップが握っています。

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今回はその開発で担当ブルワリーがこだわったポイントを解説しようと思います。

コリアンダーシードについて

コリアンダーシード」とは、いわゆる「パクチー(香菜・シャンツァイ)のタネです。同じ植物ですが、葉っぱはパクチーとして主に生のままエスニック料理に、タネの方はスパイスとしてカレーなどに広く使われています。

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ビールの世界では、ベルジャンホワイトスタイルのビールにオレンジピールと組み合わせて使われるので、そちらでご存じの方もおられるでしょう。ベルギービールスパイスハーブを使ったものがたくさんあるので、ラベルの原材料を確認してみると、ベルジャンホワイト以外のビールでもけっこう使われているのがわかります。

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ベルジャンホワイト

その「コリアンダーシード」の香りの主成分は「リナロール」といって、ラベンダーやスズランのような香りとして、アロマテラピーなどの世界でも有名な香り成分です。バラのような香りのする「ゲラニオール」という成分も含まれています。

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実は「リナロール」と「ゲラニオール」はホップにも含まれている香り成分ですので、なるほど、ホップやビールとの相性がいいのもうなずけます(こういった香り研究について、詳しくは今後別のコラムで紹介していく予定です)。

モザイクホップについて

アメリカのホップの一大産地といえば、ワシントン州からオレゴン州にかけての一帯で、ワシントン州のヤキマはその中心地です。この一帯はワインの銘醸地としても知られ、ワイン用のブドウをはじめ、さまざまな果物も生産されています。 image
参考元: Discover Washington Wine
参考サイト:ヤキマ渓谷について

そのヤキマ渓谷で2012年に品種となったモザイクホップは、パッションフルーツマンゴーなどトロピカル系の香りや、柑橘ベリーなどのフルーツハーブなどの様々なアロアが複雑に絡み合うユニークな香味が特徴。さまざまな香り味わいの要素がちりばめられたこの特徴を表現するべく「Mosaic(モザイク)」と名づけられました。

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サッポロビールでは、現地の生産者・育種家たちと長年懇意だったフィールドマン糸賀裕がコードネームHBC369という新品種候補としていち早くサンプルを入手したものを使って試験醸造を進めていて、そのご縁から、品種化の当時、ネーミングのアイデアを出してもよい、というご連絡をいただいた、という裏話もあります(残念ながら、そのアイデアは採用されませんでしたが……)。

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コリアンダーシードを使った理由

モザイク圧倒的にトロピカルな香りはどうしてできているのか? サッポロビールでは、HBC369として試験醸造を始めて以来取り組んできた研究で、モザイクに含まれる特徴的な香り成分のひとつに、それとは違う「リナロール」、「ゲラニオール」、「シトロネロール」といったいくつかの香り成分が組み合わさることで、トロピカル感が劇的にアップすることを解明しました。

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ということは、「コリアンダーシード」が豊富に含む「リナロール」、「ゲラニオール」を組み合わせてやることで、「モザイクホップ」が生み出すマンゴー柑橘ベリーハーブなど、個性的で多彩なアロマはそのままに、香りをさらに引き立てることができるだろう、と考えました。

担当ブルワーがこだわった/苦労したポイントは?

担当ブルワーはビール、麦芽、ホップの気になることを30年以上コツコツ調べていて、ふと気がついたらホップの世界的な研究者になっていたブルワー兼サイエンティストの蛸井 潔(たこいきよし)です。

蛸井さんの研究論文は世界中で引用・閲覧され、多くの研究者やブルワーに影響を与えています。論文以外でも、ドイツで160年以上続くビール業界誌「BRAUWELT」に毎年1-2報記事を載せている唯一の日本人です。

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コリアンダーシード」との関わりとしては、2006年頃に香り成分の分析・研究など、サイエンティストとしての立場でプロジェクトに参画した後、2014年にホワイトベルグとして発売されるまで、ブルワーとして商品開発も担当しています。

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参考サイト:ホワイトベルグについて

では、蛸井さんに開発秘話を聞いてみましょう!

——ホッピンラガーは、「コリアンダーシード」と「モザイクホップ」の相乗効果が美味しさの秘訣とのことですが、「コリアンダーシード」をサッポロビールで使えるようになるまで、凄くご苦労されたと聞きました!

産地の選定から、自社で使えるような調達加工の手配までしっかり確立するまで本当に大変でした…」

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——なるほど…詳しく教えてください。

「まず、初期の試作や分析をしている間なら、いろいろな国のコリアンダーシードのサンプルを取り寄せることができたのですが、試作で選抜した産地のコリアンダーシードが普段は国内にあまりたくさん入ってきていなかったようで…まず、調達に課題がありました…」

——そもそも使いたい「コリアンダーシード」の確保が難しかったのですね…」

「それと、調達する段階では丸のままのコリアンダーシードですが、ビールの製造工程で使うには、粉砕する必要があります。全ての条件をクリアになるまでには、ずいぶん時間がかかりましたね…

——そんな苦労があったんですね…「調達」と「加工」の2つの壁を超えたお陰で、「ホッピンラガー」でも安心して使えるようになったんですね!

「実は、どうやって調達するのか?粉砕するのか?やってくれるところを自分で探しました…」

——原料の確保まで構築されたんですね!?流石、蛸井さん…ちなみに蛸井さんは「モザイクホップ」の研究にも長年携われていますよね?

「糸賀が入手したHBC369(モザイク)が手元に届いたのが2009年のこと。その初期の試験醸造から商品化までは開発ブルワーとして、また、トロピカル香りがする理由を解明する研究にはサイエンティストとして取り組みました。」

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モザイクホップ

——トロピカル香の解明の研究て凄い!どんな風に解明したんですか?

「実は、モザイクホップで醸造したビールの香りをよくマンゴートロピカルと表現します。30年以上も分析・研究をしていると、香りの因数分解とでも言いますか。同じビールの香りを嗅ぎ続けていてると、知っている香り成分が、あ、これは含まれているな!とわかることがあります。」

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——凄い!職人ですね…

「長年の経験で…ただ、それだけではただの個人の直観で研究になりませんので、ありそうだなと思った成分を分析して本当に含まれていることを確認したり、それらの成分を組み合わせてどんな香りになるかを検討したり、そんなことを積み重ねて解明していきました」

——凄い!ビールの香りをデザインされたんですね!そういった研究結果も活かして「ホッピンラガー」のレシピが誕生したんですね!

コリアンダーシードモザイクの掛け合わせで、モザイクの特徴であるマンゴー・グレープフルーツ・ハーブなど多彩なアロマが引き立てられるはず!と考えました!」

——「コリアンダーシード」と「モザイク」を使いこなしたことで、ここまで多彩なアロマの香りがするんですね!素材の組み合わせって面白いですね!味わいの面でのこだわりを聞かせてください。

「定期便として届くお客さまにも飽きずに長く飲んでいただける味わいを目指しています!そのため、ラガー酵母を選定しました。」

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——なるほど、ラガー酵母を使っているので、すっきりと飲み飽きないんですね! 最後におすすめの飲み方を教えてください。

冷やして飲むモザイクのトロピカル感がはっきり出ますが、温度が上がってくると、コリアンダーシードスパイスのニュアンスが表に現れてきます。 喉が渇いているときは、キンキンに冷やしてフルーティで爽快な味わいを楽しみ、食事中などゆったりと飲むシーンでは、大きめのグラスに注いで少しずつ飲むことで、味わいの変化を楽しむこともできます。」

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——温度によって味わいが変わるビール!色んな楽しみ方ができますね!

「食事ではスパイスの効いたカレーエスニック料理と合わせると、コリアンダーシードのスパイス感とも相まって、いい感じのマリアージュになると思います。」

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編集後記

多彩なアロマをもつ「モザイクホップ」と「コリアンダーシード」の組み合わせで香りを引き出し、酵母にはラガー酵母(下面発酵酵母)を組み合わせることで実現した、豊潤なホップ香とスッキリとした飲み口。最後まで飲み飽きない味わいが特徴のホッピンラガー。ぜひ、ご賞味ください。

商品画像

ホッピンラガー

豊潤なホップ香とスッキリとした飲み口の新感覚のラガービール

フルーティーでトロピカルなホップの香りと爽快な後味をあわせもつ、HOPPIN' GARAGEが提案する新定番のラガービール。マンゴー・グレープフルーツ・ハーブなど多彩なアロマをもつモザイクホップにコリアンダーシードを掛け合わせて香りを引き出し、豊潤なホップ香とスッキリとした飲み口で、最後まで飲み飽きない味わいに仕立てました。 ホップの可能性を追求してきたサッポロビールブルワーの技術が込められた、新感覚のラガービールです。

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