STORY このビールに込められた「ほんとう」のストーリー

この人生ストーリーの主人公

“たのしいことばかりありますように”。「RAP & BEER」に願いを込めた双子ラッパーの人生ストーリ―

“たのしいことばかりありますように”。「RAP & BEER」に願いを込めた双子ラッパーの人生ストーリ―

今回発売される「RAP & BEER」は、ラップグループP.O.P(ピーオーピー)として活動する、双子の兄・上鈴木(かみすずき)タカヒロさん、弟・伯周(はくしゅう)さん兄弟と共に開発したビールです。

おふたりは、365日毎日欠かさずビールを飲むというほど生粋のビール好き。P.O.Pの楽曲にも、ビールをテーマにした曲がいくつも存在します。

今回の「RAP & BEER」は、酵母にラップを聴かせたり、個性の異なるフレーバーホップをセッションさせたり、パッケージに楽曲が描かれていたりと、ユニークで斬新なアイデアがたくさん詰まった「たのしい」ビール。まさにおふたりの人生を表すような1缶です。

思わず誰かと乾杯したくなる「RAP & BEER」。ビール完成までのお話を、P.O.Pのおふたりにたっぷりと伺いました。

写真左から弟・伯周さん、兄・タカヒロさん

今日はよろしくお願いします!

伯周さん よろしくお願いします! いやあ、ようやく僕らのところにホッピンガレージの話がきましたね(笑)。この企画のことはホッピンガレージが始まった2018年当初から知っていて大好きだったから、光栄です。

タカヒロさん 昔からサッポロビールがすごく好きで、黒ラベル(サッポロ生ビール黒ラベル)ばっかり飲んでいたので、話をいただいたときは本当にうれしかったですね。

── 「こんなビールをつくりたい!」という構想は最初からあったのでしょうか?

タカヒロさん 味の希望はあんまりなかったですね。でも、強いて言えば「ガブガブ飲む派」だから、癖のある味よりは、いつも飲んでるビールに近い感じで、冷やして気持ち良く飲める味がいいとは言ってたかな。

伯周さん 最初は「人生初めてのビール」をつくりたい、みたいな話もしてたよね。

タカヒロさん そうだったね。でも、それだとシーンが限定されすぎていて難しいかもという話になって、結果的に「たのしさ」を詰め込んだビールにしよう、という話になりましたね。

伯周さん 「酵母にラップを聴かせちゃえばいいじゃん!」「このビール用のラップをつくってパッケージに入れちゃえばいいじゃん!」みたいに、僕らが好き勝手話しているのを、サッポロビールの担当者さんたちがうまくまとめてくれて。

タカヒロさん 本当に感謝しかないですよ。

── おふたりはいつからビールが好きなのでしょうか。

タカヒロさん 僕たち、実家が酒屋だったんですよ。

伯周さん そうそう。いわゆる、田舎の「なんでも屋さん」みたいなお店で。お菓子もあるしタバコもあるし酒もある。おばあちゃんが店番をしていて、奥に実家がある、みたいなところで育ったんです。

タカヒロさん メシのときには親父が毎日のようにビールの大瓶を飲んでいて、幼い頃から常に生活のそばにビールがあったので、僕たちも自然と飲むようになっていました。初めて飲んだのはいつだったっけなあ……。あんまり覚えていないけど、最初は別においしくて飲んでたわけじゃなくて、かっこつけて飲んでいましたね。

伯周さん 僕には忘れられない記憶があるんだけど、学生時代のある真夏の日、バスケをして大汗かいて家に帰ってきて、冷蔵庫にあったキンキンに冷えたビールを飲んだときに「超うま!!!」って思った。そこから、一杯目は絶対ビールにしようって思い始めたなあ。

── ビールの「ほかのお酒と違う」良さはどこにあると思いますか?

伯周さん すぐに飲めるところ、さらにはどんなシチュエーションでも飲めるところがいいですね。ごはんでも休憩でもパーティでも、全シチュエーションに合うお酒って、意外となかなかないんじゃない?

タカヒロさん そうだね。あとは、乾杯しがいがあるところも好き。ジョッキでも缶でも瓶でも、ビールっていつも乾杯の場にあるよね。ワイワイした空気には、ビールが一番合うと思っています。

── 今回のビールのコンセプトにもつながりますが、おふたりは「たのしさ」をとても大切にしながら活動しています。それはいつからなのでしょうか?

タカヒロさん いつだったっけなあ。20歳前後の頃は、たのしいことばかりじゃ全然なかったんですよ。受験も失敗するしさ。

伯周さん たしかにそうだね。

タカヒロさん でも、現実はたのしいことばかりじゃなくても、「たのしそうにしてると、たのしい人たちに出会える」ということを信じるようになった経験があって。たのしそうにしていないと、たのしいことに出会える可能性も逃してしまう。だから、細かいことを考えるのを一切やめて、たのしく生きることに決めました。

伯周さん そうやって実際に、たのしそうにビールを飲んで人付き合いしてきたら、ラッパーとしてなんとか今までやってこれたよね(笑)。

タカヒロ うんうん。「上鈴木兄弟がいるといつも打ち上げが盛り上がるから」っていう理由で盛り上げ要員としていろいろな打ち上げに呼んでもらえるようになって、そしたら曲も気に入ってもらってCDを作るきっかけにつながって。

伯周さん ほかのいろいろな仕事の出会いも、お酒の席でチャンスをつかんだ、みたいなきっかけがめっちゃ多いんですよ。

── 「ビール」と「たのしむマインド」でここまでやってこられたんですね。

伯周さん 僕たちP.O.Pは「たのしいことばかりありますように」をキーワードに活動をしていますからね!

タカヒロさん みなさんも、人生一度きりなんだから、自分がたのしいと思うことをする方がいいですよ! 僕たちはビールを飲んで、ライブでお客さんにビールを配って、ビールが好きだと発信し続けて……そしたらついに僕たちの企画した「RAP & BEER」が完成した(笑)。こんなにたのしくてうれしいことはないですよね。

── 今回のビールは、「発酵中の酵母にラップを聴かせる」や「個性の異なるふたつのフレーバーホップを掛け合わせる」など、斬新なアイデアが詰まっています。具体的にはどのように決めていったのでしょうか?

タカヒロさん 正直なところ、僕たちもサッポロビールの担当者さんもお互いにアイデアをたくさん出しすぎて、「酵母にラップを聴かせる」とか「ホップを掛け合わせる」とか、どちらが出したアイデアかもう覚えてないんですよね(笑)。

でも、サッポロビールの方々とは初対面だったけど、初めてだからと言って気遅れしたりかたくなったりするわけじゃなくて、自分たちらしくたのしんでコミュニケーションを取ろうとは意識していましたね。

伯周さん ものづくりって、「場所」が大事なんだよね。音楽でセッションするときもそうだけど、場所というか関係性というか。今回は、僕らが自由にビールづくりができる環境を、サッポロビールさんがうまくつくりだしてくれました。ビールづくりにはいろいろなルールがあるだろうに、「無理」とは決して言わず、僕たちのアイデアに関心を持ってくれたんですよ。

タカヒロさん 制作過程がずっとたのしかったことだけ覚えています(笑)。関わる人がどんどん増えていって、サッポロビールの社員さんにもレコーディングに参加してもらったりして。そのたのしさが、飲む人にも伝わればいいなと思います。

伯周さん 今月末(2022年9月上旬取材時点)に、発酵中の酵母に生でラップを聴かせに、那須の工場にまで行くんですよ。

── すごいです(笑)! 「RAP & BEER」はラップを効かせて(聴かせて)つくった前例のないビールでもあるんですね!

タカヒロさん おもしろい体験でしたね。それも、担当者の方が工場の偉い人に話を通してくれたわけですよ。「あのう、工場で実際に酵母にラップを聴かせてもいいでしょうか……?」って(笑)。 

伯周さん やばいよね(笑)。

タカヒロさん だから、「おいしくなあれ」って願いながら心を込めて歌ってきます。

── おふたりの発想からしか生まれないビールが誕生したわけですね。さらにユニークなのが、パッケージもかわいいですよね。

伯周さん そうそう。QRコードがついていて、読み取ると、このビールのためにつくったラップが聴けるんですよ。コールアンドレスポンスも入れた、たのしい曲です。

タカヒロさん パッケージにも歌詞が入っています。みんなで聴きながら、歌いながら飲んでほしいよね。

── 最後に、このビールはどんな方に飲んでもらいたいでしょうか。

タカヒロさん いろいろな方に飲んでほしいけど、これはやっぱり乾杯用のビールだね。「乾杯しなきゃ飲んじゃダメ」くらいの気持ちです(笑)。

伯周さん ひとりで飲むのは禁止! それくらい言い切りたいです(笑)。

タカヒロさん いつもひとりで飲んでいる人がいるとしたら、せっかくだから勇気を出して、隣の人におすそわけしてみて一緒に乾杯を……。

伯周さん それはさすがにびっくりされるよ(笑)。でも、たのしい現場と共にあるビールになったらいいなと思いますね。それで僕らのラップも聴いてもらえたら最高です!

話していると、こちらまで「たのしさ」が伝播するようなポジティブな雰囲気のおふたり。たのしいことがあった人も、最近あまりツイてないと感じている人も、何はともあれ、まずは「RAP & BEER」で乾杯してみてはいかがでしょうか? たのしいことばかりありますように、という願いを込めて。

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