STORY このビールに込められた「ほんとう」のストーリー

この人生ストーリーの主人公

“自分を労う”から“人に贈りたい”になった。再販が決定した「おつかれ山ビール」を今の時代にこそ飲むべき理由

“自分を労う”から“人に贈りたい”になった。再販が決定した「おつかれ山ビール」を今の時代にこそ飲むべき理由

今回発売されるビールは、登山アプリ「YAMAP」を手掛ける株式会社ヤマップの専属ガイド・前田央輝(まえだ・ひろあき)さんの人生ストーリーを元にした「おつかれ山ビール」です。

2020年6月、「おつかれ山ビール」はHOPPIN' GARAGEで5つ目の商品として発売後、製造した1600ケースがわずか10日で完売した人気商品。すぐに800ケースを追加販売したものの、こちらも完売となりました。

「おつかれ山ビール」についてよくわかる、昨年発売時の記事はこちら

これまでさまざまなビールを商品化してきたHOPPIN' GARAGEで、今回が初めての“再販”となります。

お酒と自然と子どもをこよなく愛する前田さん。再販にかける想いをはじめ、発売から1年が経過して起きた気持ちの変化などを伺いました。

およそ1年ぶりの「おつかれ山ビール」との対面で、乾杯から取材はスタート!

1年ぶりのご対面!

ワクワクした気持ちを抑えきれない前田さん

いよいよ乾杯です!

今こそ「おつかれ山ビール」が必要な時代

「いや〜相変わらずうまいね!」と前田さん。「ビールが完成して初めて飲んだときの気持ちや、お披露目会の様子を一気に思い出しました」と、久しぶりの「おつかれ山ビール」に笑みがこぼれます。早速再販についてのお気持ちを伺いました。

「再販は『当たり前やろ』と思いましたね(笑)。

というのも、これは決して偉そうな理由ではなくて。企画は2019年からスタートし、ちょうど完成したときにコロナ禍という状況になりました。それから2年経過し、我慢を強いられている人の心身が疲弊している世の中だからこそ、労いの気持ちを込めてこの『おつかれ山ビール』が必要だろうと思っていたんです。なので、再販は当然だろうと感じましたね(笑)。

とはいえ、再販は正直嬉しくて仕方がありませんよ! ラベルに僕の名前まで入ったビールを商品化してくれただけでも幸せなのに、まさか再販されるなんて……。ビール好きとしてこんなに感動することはありません」(前田さん、以下同)

「おつかれ山ビール」がヒットした理由。低アルコールでも実現したビールの飲みごたえ

「おつかれ山ビール」は、大分産のかぼすを使用した新しいタイプのホワイトエール。アルペンザルツ(岩塩)でほんのり塩気を加え、アルコールは3%と低めに抑えたことが特徴です。21歳になった娘さんも気に入っていると、前田さんは話してくれました。

「娘が大学のサークルメンバー数人と集まって宅飲みをしたときに、『これ、パパがつくったビールなんだ』と、自慢気に振舞ってくれているんです。

昨年完成したときに、成人したばかりの娘にも飲んでもらったんですが、最初は『おいしいのかよくわからない』という感想だったんです。まあ正直、20歳だとまだビールをおいしいとは感じにくい。人生の苦味を知ってこそビールの味がおいしくなるものだ、と僕は思いますからね。

でも、サークルメンバーに振舞ったときに、想像以上に反応が良かったそうで、『パパやるじゃん!』と言ってくれたのは嬉しかったなあ」

若い世代にも喜ばれた「おつかれ山ビール」。人気の理由は一体何だったんでしょうか?

「ラベルのデザインや味、『おつかれ山ビール』というネーミング、ビールに込められたストーリー性などが全てカチッとハマった結果だと思います。特に『アルコール度数3%』が良かったのかもしれません。

『おつかれ山ビール』は山で飲むことを前提としてつくったものなんです。山を登ったあとは水分や塩分を欲しているので、スッと飲めるものが良い。

ですが、通常のアルコール度数だと標高の高いところでは酔いやすい。実際に山小屋で飲めばわかりますが、3%のアルコール度数でもめちゃくちゃ酔うんですよ。なので、度数は低めにしようと企画時から決めていました。

最初は『4%にしよう』と案が出ていましたが、どうせなら『おつかれさん』と『山』(さん)にちなんで、3%に。

ビールの製造は、アルコール度数を減らすとビール特有の飲みごたえが減ってしまうそうで、それを聞いたときは『3%のビールってやっぱりどうなの?』と不安になりました。

だけど、ブリュワーの蛸井さんやサッポロビールの皆さんが、しっかりとした飲み口を実現してくれました。そんな工夫が、『おつかれ山ビール』の手に取りやすさをより後押ししてくれたんだと思います」

発売から1年。“自分を労う”よりも“人に贈りたい”ビールになった

自分が企画したビールをつくるという経験から1年。前田さんのなかで変化したことはあるのか。もし、あったとすると、どんな変化があったのでしょうか?

「ふたつあります。ひとつは、ビールに対する姿勢がめちゃくちゃ変わりました。まず、ビールを残さなくなったんです(笑)。ぬるいお酒が苦手なので、今まで瓶に少し残ったビールは残してしまうことがたまにありました。

でも、『おつかれ山ビール』の商品化によって、ビールと真剣に向き合うことになって。静岡の焼津工場にも連れて行ってもらい、ブリュワーさんや工場の方などさまざまな人と関わるようになり、『ビールってすごいな、奥深いな』と心の底から尊敬するようになりました。

ビールをつくっている人を思い浮かべると、今はもう絶対にビールは残さないです……というより、残せないです! 行きつけの飲み屋で生ビールの樽が余っていたら、『そのお店の在庫は僕が飲まないと』という使命感があるくらいですから(笑)。

もうひとつは、『おつかれ山ビール』が“自分を労う”よりも“人に贈りたい”ビールになったこと。

当初はアウトドア時や登山後に飲んだり、難しい仕事が片付いた後だったり、大変な現場で働いている方たちに対して『おつかれさん』と労って飲むなど、自分が飲む用・相手が飲む用として楽しんでいました。でも今は自分ではなく、誰かのために贈りたいものに完全に変わったんです。

たとえば、僕は山小屋のスタッフ、登山道を整備してくれている方たちに贈りたい。今だったら、医療従事者や災害ボランティアの方たちに贈るのもいいと思います。

毎日頑張っている相手に『おつかれさん』と言いたい人、感謝の気持ちを伝えたい人にこそオススメのビールだと、1年経過して改めて感じましたね。読者の方には、ご自身が飲む用としてはもちろんですが、誰かに贈る用としても手に取ってもらえたら嬉しいです」

「おつかれ山ビール」をきっかけに、もっと自然を楽しんでほしい

YAMAPで専属ガイド・自然教育を担当されている前田さんは、「ヒゲ隊長」の愛称で多くの人たちから親しまれています。

20歳の頃に「日本中に子どものための自然学校をつくる」を人生のミッションとして掲げて30年。「おつかれ山ビール」は、前田さんの目指す未来とも大きく通じているといいます。「自然をもっと楽しんでほしい」という思いと共に語っていただきました。

「『おつかれ山ビール』は、『アウトドアをする人たちに向けた、山やキャンプで飲める最高のビールをつくりたい』という思いで企画しました。

一方で、『まだアウトドアに馴染みのない人たちが、“おつかれ山ビール”をきっかけにアウトドアに出かけてほしい』という思いを、“B面のテーマ”としても抱いていたんです。

この思いはYAMAPのミッションである『人々が自然をもっと楽しく、ずっと身近に感じられる世界を実現する』や、僕自身の人生のミッションにも大きく通じています。

そんな“B面”の思いが、この1年で世の中に伝わりやすくなってきたと感じています。

コロナ禍によって、登山やキャンプなどの需要が高まり、『自然っていいな』と感じた人も多いと思うんですよ。活動を制限された人が『新型コロナウイルスのせい』と言いたくなる気持ちはもちろんわかりますが、『新型コロナウイルスのおかげ』で気づいたこと・見えてきたこともたくさんあるはずです。

たとえば、世界各国でロックダウン(都市封鎖)により人々の活動が制限されたとき、インドからエベレストが綺麗に見えたんです。大気汚染が改善されたことによって見えたそうで、発達した世界によって、自然本来の美しさを見逃していたことに気づいた人もいるはずです。

『自然っていいな』『こういう生活っていいな』と気づいた人が増えてきている。僕が30年間行っている自然教育の活動も今まで以上に共感されるようになりました。

現在、学校の授業に自然教育を取り入れるためのカリキュラムを作成できないか、各地域の教育委員会や自治体と相談しています。数年前はなかなかうまくいかなかったこの活動も、コロナ禍によって状況はガラッと変わりました。自然はいわゆる『三密』を避けられるので、僕たちの提案が通りやすいんです。

そんな時代の今だからこそ、『おつかれ山ビール』の出番だと思うんですよ。

『自然っていいな』と感じ、外に出る行動のきっかけのひとつとして、『おつかれ山ビール』を飲んでほしい。きっと最高においしいし、また自然に触れたいと目が向くかもしれません。このビールをきっかけに、自然やアウトドアに興味を持ってくれる人が増えたら万々歳です」

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2018年10月に始まった『HOPPIN’ GARAGE』。

HOPPIN' GARAGE(ホッピンガレージ)は、「できたらいいな。を、つくろう」を合言葉に、人生ストーリーをもとにしたビールづくりをはじめ、絵本やゲームやラジオなど、これまでの発想に捉われない「新しいビールの楽しみ方」を続々とお届けします。

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