STORY このビールに込められた「ほんとう」のストーリー

この人生ストーリーの主人公

美意識をまとった“グレジュ”を味わう。HOPPIN’ GARAGE ビール第2弾、遠山正道さんの『婚姻のグレジュビール』乾杯レポート

美意識をまとった“グレジュ”を味わう。HOPPIN’ GARAGE ビール第2弾、遠山正道さんの『婚姻のグレジュビール』乾杯レポート

**この記事は、2018年11月に実施したイベントレポートの、note転載記事となります**

こんにちは、キッチハイク編集部のAyumiです。

2018年10月に始まった『HOPPIN’GARAGE』。
「こんなビール、あったらいいな」という熱い想いを持った人が、つくりたいビールをサイト上で応募して、HOPPIN’ GARAGE事務局の審査の上で選ばれた人がサッポロビールのブリュワー(醸造責任者)と一緒にオリジナルビールを製造するという、ビール好きにはたまらないプロジェクトです。

HOPPIN’GARAGE 第2弾のビールを手がけたのは、『Soup Stock Tokyo』『PASS THE BATON』などを展開する株式会社スマイルズの代表取締役社長・遠山正道さん。アートコレクターとしても知られる遠山さんが『グレジュビール』と名付けたビールは、遠山さんの美意識を感じる洗練されたビールに仕上がりました。

今回は、スマイルズが手がける中目黒高架下のレストラン『PAVILION』で行われたグレジュビールお披露目パーティの様子をレポートします。

グレジュビールのはじまりは、“奇跡?!”の企画書

11月の寒空のなか、ビール好きの参加者たちの熱気に包まれたPAVILION。

「レッドアイ(編註:ビールにトマトジュースを加えたカクテル)が好きなので、HOPPIN’GARAGEでレッドアイをつくろうと思っていたのだけれど、すでに商品化して売り出されているのを知って、“グレジュビール”をつくりました」と遠山さん。

“グレジュ”って何だろう? パーティのはじまりを待ちながら、『グレジュビール』の期待感が高まります。

【登場人物紹介(左から)】

▼ サッポロビール株式会社 ブリュワー 成瀬史子さん
『HOPPIN’ GARAGE』 オリジナルビールを二人三脚でつくってくれる人

▼ スマイルズ代表 遠山正道さん
『HOPPIN’ GARAGE』 第2弾のビール製造者

▼ キッチハイク共同代表 山本雅也さん
『HOPPIN’ GARAGE』 第1弾のビール、『探検するハニーエール』の製造者

▼ サッポロビール株式会社 マーケティング開発部マネージャー 土代裕也さん
『HOPPIN’ GARAGE』 の仕掛け人

遠山:最初にこの『HOPPIN’ GARAGE』の話を聞いたときに、ビール開発用のコンセプトシートが送られてきたんです。ビールのコンセプトやネーミング案を書く項目が並んでいて、それを提出するということだったけれど、私はそれを無視して“音声”で企画を提出しました。


土代:僕の携帯電話に、遠山さんの声で録音された音声データだけが送られてきました(笑)。

山本:普通は企画書を紙で出すでしょう? 僕は第1弾ビールで企画書を出しましたが、ビールの苦味や色味をどうするかなど、ブリュワーへの指示フォーマットになる企画書なのに、それを全て無視して、遠山さんは音声を送ったと……。そんな奇跡の企画書からビールづくりがはじまりました。

飲みたいビールは自分でつくろう!HOPPIN' GARAGE ビール第1弾『探検するハニーエール』乾杯レポート

遠山:私のなかには、もうビールの味とイメージが浮かんでいて。それで、一足飛びにそのビールが商品化されてラジオCMで流れているイメージが湧いてきて、音声の企画書を送りました。まずはその音声を聞いてください。アラン・ドロンのような声をイメージして。

遠山さんのナレーション:

『ビールを織りなすモルトの源流に、シトラス家が醗酵前婚姻をした。

どこから訪れたのだろう、このエレガンス。

しかし、一発で仕留める高い度数設定。

醗酵前の添加、The maeten。

酵母が糖を食べ、糖と香りが分解せんとするそのわずかな谷間で逃れたのがこのグレジュ。

グレジュの意味は誰も知らない。

それは、あなたが定め喧伝する。』

“グレジュ”の正体は……?

土代:この音声の“企画書”を聞いて、実際にビールをつくる成瀬さんはどう思ったのですか?

成瀬:遠山さんから『グレジュビール』の希望を聞いて、最初はビールにグレープフルーツジュースを加えようと思ったのですが、そうすると単なるビアカクテルになってしまう。それでは面白くないなと思いました。

山本:ずっとナイショにしていた“グレジュ”の正体を、成瀬さんがあっさりと明かしてしまいました(笑)!

遠山:そうですね(笑)。“グレジュ”とは、グレープフルーツジュースの略称です。

『HOPPIN’ GARAGE』は、サッポロビール焼津工場でブリュワーの成瀬さんと一緒にビールをつくっていくのですが、焼津工場に行く前に自分でグレープフルーツジュースとビールを割って試作してみたんです。グレープフルーツはとても強くて、入れすぎるとビールに勝ってしまう。ジュースの割合をどんどん減らして、グレープフルーツとビールのぎりぎりの拮抗状態を見つけて、それを工場に持って行きました。

実際に工場で試作をしてもらったときに、“グレジュ”を入れる手法として、後添加と前添加があると知ったんです。

成瀬:出来上がっているビールにグレープフルーツ果汁を入れる後添加と、発酵の前にグレープフルーツと麦汁をミックスさせたものを酵母で発酵させる前添加の2種類で試作を出しました。

いつもビールをつくっている私の感覚だと、果汁の特徴がほとんど消えてしまう前添加よりも後添加が良いと思っていましたが、遠山さんに実際に飲んでもらったら、前添加のビールをとても気に入られて。

遠山:まさに、求めていたビールはこれだ! という感じだったんです。

成瀬:前添加で果汁を入れると、果汁の風味が最終形まで残らない可能性が高いんです。しかし、今回は予想外にグレープフルーツの酸味や苦味が残っていて、まさに偶然の産物で『グレジュビール』ができたと言えます。

『グレジュビール』の一発で仕留めたい!

遠山:『グレジュビール』のもう一つのテーマが、“一発で仕留める”です。今の時代、ビールをえんえんと飲む人は少ないでしょう? 最初はビールで乾杯して、2杯目からワインやカクテルを飲むなら、カクテルのようなビールでアルコール度数を高くして、“どんっ”と一発で仕留めるビールにしたいと思いました。

成瀬:一般的なビールのアルコール度数は4.5〜5.5%ですが、『グレジュビール』は6%と高めです。また、無濾過でグレープフルーツの果汁も混ざっているので、注いだときに白濁するのもポイントです。

遠山:『婚姻のグレジュビール』と名付けました。“シトラス家”と“モルトファミリー”の婚姻のイメージで、派手な結婚ではなく、すっと一緒になるような婚姻関係なの。グレジュが全面に出過ぎず、グレープフルーツの血胤と品の良さをビールが持っている。泉から湧き上がってくるような味と香りが気に入っています。

今日は、シトラス家の花嫁たちとモルトファミリーの野蛮人が、会場に来てくれています。

「シトラス家の花嫁たち」というテーマで、ドレス姿の3人娘が出迎えたパーティ

ビール好きが『HOPPIN’ GARAGE』でつくりたいビールは?

料理は、『シトラス家』と『モルト家』から供されたというテーマで2つのテーブルに分けて出されました。シトラス家は、“白と黄色”をイメージしたフィンガーフードを中心に。隠し味にレモン等のシトラスを使ってグレジュビールと合う工夫がされています。モルト家は、がっつりお腹にたまる肉料理が中心。

ホップとレモンに埋もれるように、料理たちが並ぶテーブル。シトラス家の粋なはからい

モルト家の料理は、モルトを敷き詰めたテーブルにローストビーフやチキンとポテトなどを配膳。肉料理中心の、がっつり系
『HOPPIN’ GARAGE』は、自分で飲みたいビールをつくるだけでなく、つくったビールをビールが好きな仲間たちと飲める“ビールコミュニティ”も特徴です。会場に集まったビール好きの皆さんに、グレジュビールの感想と、『HOPPIN’ GARAGE』でつくってみたいビールを聞きました。

「遠山さんの話を聞いて、どんなビールだろうと想像が広がったのですが、飲んでみたら言葉通りのビールで驚きました! 言葉からビールづくりをスタートして、その言葉通りに味を着地させたのがすごいなと思う。つくってみたいのは、15時から飲めるビール! 平日のランチでビールは無理だけれど、15時ならいいんじゃない? っていうビールをつくりたいです。あと、ノンアルコールのクラフトビールなんて、どうでしょうか?(ケンタさん)」

「爽やかで、ふわっとグレープフルーツの香りがやってくる。個性的なのに飲みやすかったです。普段づかいにしたいビールですね。最近、海外で樽熟成のコーヒーが流行ってきているのですが、そのコーヒーとビールを混ぜ合わせたものをつくってみたいです。そこにミルクを少し入れたらどんな味になるんだろう……飲んでみたいです(ユウスケさん)」

結婚式に、フルートグラスで飲むビールに

料理がなくなってグレジュビールが飲み干されたころ、会場はビール好きの仲間たちがつくる温かい雰囲気に包まれていました。みんな、グレジュビールに“一発で仕留められた”みたいです。

飲みたいビールをつくり、ビール好きが集まって飲むのはこんなに楽しい。ビールコミュニティを思いっきり楽しむお手本のようなパーティでした。

「私の中に、“こんなビールをつくりたい”というイメージがあったので、その世界観をどう表現しようか難しかったです。世界観の伝え方の一つが音声だったのですが(笑)。最終的には思っていた通りのビールが形になって、気持ちの良い体験をしました。

今日のお披露目パーティでわかったことですが、普段はビールを飲まない女性も“美味しい”と言って飲んでくれる。女性にも好まれるビールで、『婚姻のグレジュビール』という名前だから、まさに結婚式で飲まれるようなビールになったらいいなと思います。ガーデンウエディングで、フルートグラスでグレジュビールを飲むなんて、すてきでしょう?」と遠山さん。

『HOPPIN’ GARAGE』第3弾ビールのお披露目会は、12月24日クリスマスイブに大阪堺市の無印良品イオンモール堺北花田店で開催されます。次のビールのテーマは、“腹黒”! いったいどんなビールが飲めるのでしょうか。気になる方は、早めの参加表明を!
*2018年12月に実施済み

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