おつかれ山ビール


アウトドアガイドっていう職業はね「仕事か遊びかよくわかんない」ってしょっちゅう言われるんですわ。でも実は、仕事だと思って山登りしたことは1回もない(笑)。

ガイドはお客さんを連れて何回も何回も山に登ります。でもね、僕にとっては100回中1回の登山でも、相手にとっては生まれて初めての登山かもしれない。自分のガイドがつまらなければ、相手は山を嫌いになってしまう。
そんな風に考えると、同じ仕事を繰り返すような姿勢ではやれないよね。親友と遊ぶように、毎回工夫を凝らして相手との時間を楽しいものにする。80点じゃ意味がない。最高の思い出を残せるように100点のガイドを狙って山に登ってますわ。まあ、なかなか100点は出せないけどね。

お酒もガイドと同じだと思うんです。それこそビールはこれまでに何千本って飲んできたけど、1本として同じ味はない。今日をどう過ごしたか? 明日をどう過ごしたいか? それによってビールの味はすごく変わる。
人生で一番うまかったビール? それは北アルプスの白馬山荘で飲んだビールやね。あれは旨かった。目の前いっぱいに雲海が広がって、雲海の上には見事な夕焼け。それがじわ~っと宇宙の色と混ざっていって。でね、山荘の前でビールを飲みながら閃いたわけ。雲海からの夕焼けってひっくり返すとビールに似てるな~って。
ビールってもちろん味も大切だけど、どういう状況で飲むかってのも重要だよね。その意味でいうと、山を登った日に飲むビールは最高。一日中頑張って歩いて、汗いっぱいかいて。んでその日の終わりに、冷たいビールを身体に注ぎ込む。喉がガバッっと開いてシュワシュワ~ッと細胞にビールが行き渡る。ああ、今日も頑張ったな~って思うよね。

そんな状況を楽しみたいから、今回のビールはアルコール低め。さっぱり爽やかな後味にするために柑橘の風味をつけてみました。その名も「おつかれ山(さん)ビール」。「おつかれ山」ってのは山を登った後、YAMAPアプリを閉じる時に出てくるメッセージなんだけど、人生には色々な山があると思うんよね。
だから「おつかれ山ビール」は、実際に山に登った人だけじゃなく、厳しい会議を乗り越えたサラリーマンや、現場でひと山越えた職人さんなんかにも楽しんでほしいよね。
今日も1日おつかれ山。明日も頑張ろうって。
仕事や家のこと、自分の夢。人生は山だらけ。その頂上で飲むビールって最高だと思うんよね。登った山の数で男の価値は決まる。僕はそう思いますわ。だから、ひとつひとつ、低くてもいいから山に登った夜は自分にご褒美をあげたい。ひと汗かいた日に飲むビールはきっと何よりもご馳走だから。


企画者プロフィール
前田 央輝
1972年鹿児島生まれ。登山アプリを手がける「YAMAP」専属ガイド。お酒と自然と子供をこよなく愛するフーテンのアウトドアガイド。23歳の時にユーコンの原野を1ヶ月かけて旅し、「この自然の素晴らしさを子供達にも伝えたい」と自然学校のヒゲ校長を志すことに。今も夢に向かって全国を駆け回り、自然の楽しみ方を絶賛普及中!
■ YAMAP:https://yamap.com/

ブリュワーコメント
蛸井 潔
山登り、とか、いろいろ運動、「おつかれさん」です。運動のあとは、さっぱりしたもの、さわやかなものをごくごく飲みたくなる……でも、ちょっと待って! 汗をかいたら塩っ気もちょっと欲しくなりませんか、ということで、さっぱりさわやかなベルジャンホワイトスタイルを参考に、コリアンダーとオレンジピールの「ピール」を、大分産のかぼすの「ピール」に置きかえてさっぱり感アップ、! ごくごく飲めるようにアルコールは低め3%! さらに隠し味に、アルペンザルツでほんのり塩っ気を加えてみました。
いたってインドアな人間が造ったわりには、アウトドア向きになっていると思います。お試しあれ。